研究課題
今年度は「路面走行時の問題把握」、「車いすユーザーを対象とした歩道の線的評価」、および「バリアフリーの面的評価」を目標に研究を進めた。結果は以下である。(1)昨年度来から路面の凹凸に対して、多くの車いすユーザーは不快感を持っており、路面走行時の振動と段差通過時などの衝撃的な振動に暴露されることが分かった。よって、今年度はテストコースを対象に、横断歩道の縁石を通過するときの振動計測値を用いた点的な路面評価から、車いすがアスファルト、インターロッキングブロック等の路面を走行する時に得られる身体振動・駆動トルク値を用いた線的な評価に至るまでを実施した。その結果、横断歩道の縁石を通過するときは、身体振動と乗り越えに必要な駆動トルクが大きく、身体負担が大きいことが明らかになった。また、テストコースは130秒の走行で65秒間0.8m/s^2以上の振動に暴露された結果となり、これらの測定値を用いた評価ができた。(2)この研究の知見として、車いす走行時の加速度を蓄積することが重要であることが分かったため、ドライブレコーダーを用い、位置データ、加速度データ、および画像データを集積することができた。これらを地図に落とすことで、対象エリア内の面的なバリアフリー評価を実施した。一方、坂道などの身体特性負担が大きいことも分かったため、車いすが登坂する時の負担を人間工学的なアプローチから改めて計測した。その結果、身体負担的なアプローチの評価をすることも可能となった。以上、これまで主観的評価に留まっていた部分について、車いすユーザーの身体的負担・機構などからも明らかにできた。
すべて 2009 2008
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SICE Journal of Control, Measurement, and System Integration (掲載決定)
第28回交通工学研究発表会論文報告集
ページ: 317-320