研究概要 |
消毒剤の残留性については,0.5mgBr/L,1mgBr/L,および,1.5mgBr/L以外の消毒条件で,消毒剤注入直後である消毒時間0分以降,残留濃度が減少した。一方,消毒条件0.5mgBr/L,1mgBr/L,および,1.5mgBr/Lでは,消毒時間0分より10分のほうが,残留濃度が増加した。そして,一定時間経過すると,残留濃度が減少した。8mgCl/L以外の消毒条件は,24時間以内に残留濃度が1mgCl/L(1mgBr/L)以下まで減少した。8mgCl/L以外の消毒条件は,24時間以内に残留濃度が1mgCl/L(1mgBr/L)以下まで減少した。 消毒効果については,塩素消毒において,消毒条件1mgC1/Lでは,消毒時間30分経っても,水質汚濁防止法で定められている放流水中の大腸菌群数3000CFU/mL以下にはならなかった。他の消毒条件では,2mgCl/Lでは15分以内,4mgCl/Lでは7分以内,ならびに,10mgCl/Lでは3分以内にそれぞれ3000CFU/mL以下となった。また,臭素消毒では,2mgBr/Lでは3分以内に,4mgBr/Lでは2分以内に,ならびに,10mgBr/Lでは,1分以内に大腸菌群数3000CFU/mL以下となった。 臭素消毒は,消毒条件が低濃度でも,消毒副生成物が検出された。また,塩素消毒も同様に,低濃度から消毒副生成物が検出された。臭素消毒の場合,消毒条件が高濃度になるにつれ,消毒副生成物の検出量は,塩素消毒よりも高濃度になった。塩素消毒,臭素消毒ともに,消毒剤の残留性があった。臭素消毒の消毒効果は,塩素消毒よりもあった。しかも,比較的短時間で大腸菌群を減少させることができた。消毒条件が2mgBr/L以下の場合,大腸菌群の不活化が見られなかった。
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