研究概要 |
本研究では、おもに都市域を対象として、大別して(1)流域調査およびGISデータベースの作成,(2)汚濁物挙動モデルの作成,(3)生態リスクの評価およびその低減施策の検討の3テーマについて研究を実施した。 1.流域調査およびGISデータベースの作成 2.調査結果の解析と汚濁物挙動モデルの作成 (1)汚染物質について、現存量と流出負荷量の変化を、降雨特性との関係で解析・定量化を図った。 (2)流域の社会指標と排水系統の整備状況を整理した上で、都市由来汚濁負荷量を定式化した。 (3)汚濁負荷の晴雨天時別大気浮遊,晴天時堆積および降雨時流出挙動を記述した。 3.生態リスクの評価およびその低減施策の検討 (1)都市排水路における底質試料や雨天時排水試料をユスリカに暴露させることにより生態毒性試験を行った。 (2)生態リスクの低減施策として発生源の抑制,流出量の抑制などと環境浄化施設の選択,建設が考えられる。これらの政策の概念を整理し、都市系汚濁負荷管理政策を比較検討した。 以上により、主として微量有害物質の流出管理を意図した都市雨水排水系統整備のあり方について、一定の議論の方向性を示すことができた。これまでPAHsの現存量や生態リスクについての総合的な調査は行われておらず、今回の実績が初めての試みとなった。
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