研究課題/領域番号 |
19560577
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
板垣 直行 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (00271891)
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研究分担者 |
岡崎 泰男 秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 准教授 (70279511)
飯島 泰男 秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 教授 (10279507)
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キーワード | 木造住宅 / 木質構造 / 耐震性 / ラーメン構造 / 接着接合 / 木ダボ / 引抜抵抗 / 回転剛性 |
研究概要 |
木造住宅の耐震性め確保、長寿命化を実現のために、剛性・耐力に優れた木ダボ接合による半剛接軸組架構の住宅構法開発に取り組んできた。しかし木ダボ接合は破壊性状が脆性的であり、現段階では引きボルトと併用することによって危険な耐力低下を防いでいる。本研究では、これまでに開発された木ダボ接合について、接着剤による木ダボの引き抜き抵抗のメカニズムを再検討し、i)緩やかな接着耐力低下挙動の実現、あるいはii)接着界面破壊後の木ダボと母材との摩擦抵抗による緩やかな耐力低下の実現を検討する事を目的としている。本年度は初年度として以下3つ事項を中心に研究を進めた。 1.木ダボの引き抜き抵抗メカニズムの再検討 木ダボの引抜抵抗を再検討するにあたり、まず木ダボ単体の引抜試験を実施し、すべり剛性、耐力を測定した。さらに現在、接着耐力のみに依存している木ダボの引き抜き抵抗について、形状等の改良により摩擦抵抗を付加することを検討し、ダボの端部を楔により膨張させた地獄ホゾ型のダボについて引抜試験を行った。しかしながら引抜耐力の向上によりダボの破断が増大したため、ハードメープルの代わりに竹の利用を検討した。 2.木ダボの引き抜き抵抗メカニズムの解析 木ダボの引抜試験および木ダボ接合部のモーメント抵抗試験の結果から木ダボの引き抜き抵抗メカニズムを理論式から再検討した。これに基づき、木ダボ接合部の耐力メカニズムをモデル化し、接合部の設計方法を検討した。 3.木ダボの配置・埋め込み長さによる破壊挙動のシミュレーション・スタディ 検討した接合部の設計方法に基づき、仕口接合部における各ダボに生じる引抜力をダボの位置、埋め込み長さにより算定した。また実験で得られたダボの耐力に基づき、木ダボの破壊が段階的に生じるように、ダボの配置、埋め込み長さについてシミュレーション・スタディを行った。
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