研究課題/領域番号 |
19560585
|
研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
中塚 佶 大阪工業大学, 工学部, 教授 (60107133)
|
研究分担者 |
西村 泰志 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10102998)
|
キーワード | サステナブル建築 / 耐震補強 / 低強度コンクリート / プレストレストコンクリート / 圧着工法 / せん断耐力 / 摩擦係数 / 目地モルタル |
研究概要 |
本研究は、申請者らがサステナブル建築への適用可能性を実証した・アンボンドPC圧着工法と新たに開発した剥離性目地を組み倉わせた、プレストレストコンクリート(PC)骨組に関するものである。本年度は、サステナブルの観点における現在の喫緊の課題である、低強度鉄筋コンクリートに対するPC圧着型耐震補強工法の基礎知見である、既存と新設コンクリートの接合面に関するせん断力伝達性能に関する研究を行い、以下のような結果を得た。 (1)低強度コンクリートのせん断強度時のずれ変形は極めて小さく、すべりはないと判断でき、従来と同様、ずれ変形を認めないとする設計手法が適用出来る。また、摩擦係数におよぼす圧着力の影響は既存コンクリート強度(Fce)が小さい範囲で若干認められたが、摩擦係数はばらつきの下限値を0.5として、導入力の増大によって減少し、Fceにかかわらず平均値として約0.8の一定値に漸近した。さらに摩擦係数は、せん断応力度-ずれ変形関係および、接合面、目地モルタル厚さの影響を殆ど受けないことが分かった。 (2)新設耐震補強架構をモデル化した試験体の最大耐力に対し、現行外付けマニュアル計算例で例示された方法による推定耐力は、実験値に対して3以上の余裕率を示した。また、試験体の曲げ・回転変形によるPC鋼材の張力増分は、初期導入力に対し1〜16%程度であった。さらに、最大耐力時において、実験値を増分も考慮したPC鋼材張力で除して摩擦係数を求めると、試験体No.1〜4でそれぞれ、0.99、0.80、0.78、0.77であった。
|