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2008 年度 実績報告書

コンクリート系カーテンウォールファスナーの摩擦ダンパー化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19560587
研究機関長崎総合科学大学

研究代表者

安井 信行  長崎総合科学大学, 工学部, 准教授 (20310021)

研究分担者 吉岡 智和  九州大学, 芸術工学研究科, 准教授 (40304852)
キーワード建築構造・材料 / カーテンウォール / ファスナー / ダンパー
研究概要

本研究は,建物の耐震安全性を高めることを目的に,コンクリート系カーテンウォールのファスナーに摩擦ダンパーを設置する方法を研究するものである.
平成20年度は,座金の回転を拘束するためアンカーボルトを2本用いる形式の摩擦ダンパーに変更し,アンカーボルトに普通ボルトを用いた実験を行った.その結果,座金回転によるボルト張力の低下が抑えられるとともに,普通ボルトにおいても十分摩擦力が得られることを明らかにした.しかし,ファスナーと座金間の焼付きにより摩擦力が上昇したため,座金側にもコンクリート板を設置し,「鋼一鋼」摩擦面の無い「鋼-コンクリート」だけの摩擦面を持つ試験体により再度実験を行った.その結果,累積変形2000mmまで極めて安定した摩擦力を保持可能であり,すべり係数は概ね1.0を確保できることを明らかにし,実用可能であることを示した.
摩擦ダンパーに加えて,H形鋼のウェブを曲げ降伏させるダンパー(曲げ降伏型ダンパー)をファスナー部に設置する方法も研究に加え,曲げ降伏型ダンパーとそれを支持するファスナーを含む実形状での加力実験と,中地震と大地震を想定した一定振幅の繰返し加力実験を行った.その結果,実験結果の剛性と耐力は提案式で評価可能であること,及びH形鋼のせいが250mmと300mmの場合には大地震時に想定される累積塑性変形約1500mmを超える性能を持つことを示した.大地震時に曲げ降伏型ダンパーに生じる累積塑性変形は,ダンパーを設置した建物の地震応答解析を行って得た結果であり,ダンパーを設置することで建物の応答が2割程度低減可能なことも示した.
外壁ダンパー縮小模型実験は実大の2分の1とし,曲げ降伏型ダンパーも2分の1サイズの150mmとしたが,使用したH形鋼のウェブ厚の関係から十分なエネルギー吸収能力が得られず,歪集中を緩和するウェブの加工が必要であることを示した.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 外壁ファスナーのダンパー化に関する研究 その4曲げ降伏型ダンパーの載荷実験2009

    • 著者名/発表者名
      安井信行
    • 雑誌名

      日本建築学会九州支部研究報告 第48号・1

      ページ: 393-396

  • [雑誌論文] 外壁ファスナーのダンパー化に関する研究 その5 2本ボルト締め付け型鋼-コンクリート摩擦ダンパーのすべり試験2009

    • 著者名/発表者名
      中城卓也
    • 雑誌名

      日本建築学会九州支部研究報告 第48号・1

      ページ: 397-400

  • [備考]

    • URL

      http://www.arch.nias.ac.jp/home/labo/yasui/Fastener.html

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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