平成21年度は、20年度に続いた実測データの収集と、データ解析、北陸地域における給湯機器代替時の省エネルギー効果検証が研究課題であった。 運転効率実証実験では、20年度から続いた実測結果より、北陸寒冷地における除霜運転に関わるエネルギー消費およびヒートポンプ給湯機のエネルギー効率と気象との関係性の解析を行った。解析の結果、除霜によるエネルギー消費の増大は気温0℃±5度程度で最も発生し、これは北陸地域の冬期の出現気候にきわめて近く、本研究の主目的であった北陸の機構化におけるヒートポンプのエネルギー効率の効果予測に重要な意味を持つ。またこの結果から、気候区分が同等な太平洋側の地域との効率の差を気象データから検証した結果、5~10%程度の効率低下が明らかとなった。 また、これらヒートポンプ省エネルギー機器の導入によるエネルギー消費量削減効果については、既存の住宅の設備状況との比較を行う必要があり、富山県における住宅設備に関するアンケート調査を実施した。住宅設備のストック調査の結果、北陸地域における給湯、空調、調理機器の製品年代および年代ごとのエネルギー効率、住宅内でのエネルギー需要から、現存する省エネルギー機器導入時の削減効果を求め、気候および使用状況、エネルギー種別ごとの代替案と削減効果を示し、今後の住宅における省エネルギー化に資する資料として、日本建築学会大会学術講演会への投稿を行った。(平成22年9月発表予定)
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