計画に沿い、ルール地方を主たる対象に研究を進めている。具体的には、以下のとおりである。 ・主たる研究対象と選定したエッセンのリンベッカー広場、デュイスブルクのフォーラム、およびドルトムントのティア跡地開発に関して資料収集を継続すると同時に、現地を訪問して状況を視察してきた。これら3プロジェクトに関する重要な新聞記事は、日本語への翻訳を優先的に進めている。 ・今後の高齢化社会において重要になる近隣供給については、ドルトムントとデュイスブルクを中心として新聞記事の収集を継続している。とくにドルトムントでは、Hombruch区のLucklembergで食料品スーパーの進出では、賛成と反対の住民団体が署名活動を行っているので、くわしく観察している。この他に、Huckarde区でも、中心地近くへのスーパー進出が決定され、Lutgendortmund区では、2箇所でスーパー進出が議論されている。 ・今年度は、視野を旧東ドイツにも拡大し、フランクフルト(オーダー)とライプチヒにつき、視察を行った。とくにライプチヒでは、人口減少によって減築が進む郊外団地に建設された大型ショッピングセンターを見学することができた。 ・商業をとりまく環境として重要な人口の動向に関し、日本における人口フレームに相当する部分がドイツでどのように扱われているのかをまとめ、地域開発誌に発表した。 ・わが国では、都市計画法と建築基準法の改正が2007年末に施行され、都市計画で商業施設を扱う枠組みができたが、ドイツに比較するとまだ弱体である。そこで、大型店の進出が非常に進んでいると同時に、活性化対策として土地区画整理が完成した都城市を視察した。
|