• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

EUサステイナブルシティ政策の2000年以降の実践的展開

研究課題

研究課題/領域番号 19560609
研究機関千葉大学

研究代表者

岡部 明子  千葉大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70361615)

キーワード都市政策 / EU / サステイナブルシティ / 空間計画 / CO2削減 / 政策統合 / 再生可能エネルギー / 雇用対策
研究概要

本研究は、環境・経済・社会を統合的にとらえて持続可能な発展を目指す試みとして、2000年以降の都市関連EU施策をミクロとマクロの両面から分析する2年にわたる研究で、最終年度は、マクロの空間政策に関するヒアリングなどの調査を実施し、昨年度のミクロの都市政策に関する調査分析結果と総合して、両者を連携した多様な主体によるガバナンスとはどのようなものかについて考察した。まず、マクロの空間政策について、(1)EU地域政策総局の空間政策担当のR・ニースラー氏および都市担当、(2)ESPON事務局長のP・メールビー氏にヒアリングした。その結果、2000年以降、EUレベルのプライオリティが経済開発と環境問題に置かれ、地域間不均衡是正のためのEUの役割が薄らぐ中で、territorial cohesionをめぐる論争が起こっていることがわかった。また、欧州空間戦略として多心型の強みを生かして持続可能性を高めようとする方向性に変わりないが、(1)現行の国土・都市計画制度の枠組みでは有効な実践に結びついていない、(2)都市開発ブームに沸く中東欧都市と西南欧都市では持続可能性の理解に温度差があるなど、課題があることがわかった。加えて、CO2削減の取組がサステイナブルシティ政策をどう展開させているかを知るために、気候変動「適応」をカギにオーストリアおよび気候同盟の動きをヒアリングした。また、マクロとミクロの連携による多様なガバナンスの実態を把握するために、国境を越えたウィーン-ブラチスラバ地域にフォーカスして、自治体のみならず市民団体や、実際に越境地域連携の空間政策に携わる空間計画コンサルにもヒアリングした。2年間の調査結果を総合的に考察したところ、欧州全体としてみたマクロに環境・経済・社会を統合した持続可能な発展の方向と符合するミクロレベルの動きが見られる一方、経済開発を急ぐ中東欧都市をはじめとしてミクロとマクロの持続可能性が合致せず、課題も明らかになった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 環境分野に関わる欧州レベルの自治体等ネットワークに関する研究-地方レベルの地球温暖化対策を支える役割に注目して-2008

    • 著者名/発表者名
      高澤由美, 岡部明子
    • 雑誌名

      都市計画論文集 43-3

      ページ: 349-354

    • 査読あり
  • [雑誌論文] バルセロナとライプチヒの人口急減地区再編2008

    • 著者名/発表者名
      岡部明子
    • 雑誌名

      住宅 57-7

      ページ: 19-25

  • [雑誌論文] Global areport 大規模開発に沸く中・東欧の主要都市2008

    • 著者名/発表者名
      矢作弘
    • 雑誌名

      日経グローカル 111

      ページ: 50-53

  • [雑誌論文] サステイナブル・シティという空間的資本2008

    • 著者名/発表者名
      広井良典, 岡部明子
    • 雑誌名

      「環境」と「福祉」の統合(有斐閣)

      ページ: 177-195

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi