高齢者居住施設に関して多くの知見が積み重ねられ、施設デザインに反映されている。今後、施設居住におけるQOLを高めるためには、これら施設の利用者自身が施設に与える評価を知り、考察する必要がある。新たな住まいに愛着を持てるかどうかはその後のQOLに大きな影響を与えると考え、研究ではプレイス・アタッチメント(PA)の概念を手掛かりとして評価指標を作成、高齢者居住施設利用者に対して実施した。結果、指標の有効性を確認すると共に、結果から施設に対して愛着を持つための具体的工夫についての示唆を得た。また、PA評価の傾向と施設利用者の所有物や居室に対する第三者の印象評価について関係を考察した。
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