研究概要 |
平成20年度は,3次元空間データを含む他種類の空間データをシームレスに扱う作業環境の整備と,膨大なデータ量を低減しながら適正な表現の質を実現するための実験を通して時空間情報を最終的にパッケージングするため技術の確認および仕様を決定するための条件整理を行った。まず,東京都中央区八重洲口地区の3次元都市モデルを用いてGIS上で景観表現・解析に向けた作業環境とデータコンバータ等を整備した。これにより多様なフォーマットを持つ既存の空間データをシームレスに変換でき,3次元操作を含めた空間情報のハンドリングをひとつのアプリケーション上で行うことが可能になった。また,景観検討への応用事例としてこれら作業環境を応用し,スカイラインに注目した建築物の高さに関連した計測・表現手法を検討した。統計解析の指標`Zスコア'を用いることで,スカイラインの情報を抽出,沿道建築物の高さのばらつき具合を定量的に把握し,また,街区内の奥行情報を含めた建築物の高さと配置位置のばらつきを表現した。 さらに,ゲームエンジン'Unity'の上で仮想的な都市環境を構築するためにGISデータからゲームエンジンへのデータ変換のプロセスを確認した。次に仮想都市環境の中で,景観まちづくりのシナリオを組み込む実験をゲームエンジン上で行った。具体的には,GUI環境を作成しながら表現の質とパフォーマンスとのバランスを見ながら,テクスチャの解像度やポリゴン数の最適な組み合わせを探った。
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