研究概要 |
平成21年度は,時空間情報の拡張,時空間情報活用方法の検討と研究全体のまとめを行った。まず,東京駅八重洲口地区を対象として整備した時空間情報を拡張した。拡張には市販3D都市データを用い,複数のデータソースからOBJ形式,COLLADAを通したGoogle Earthへのデータ変換と合成が可能であることを確認した。続いて,GISのSHAPE形式のデータを3次元的に可視化するための手法を開発した。Google Earthが提供するインポータを利用した後,KMLで記述されるスタイルテンプレートの構造を解読し,これを編集することで表現の多様性を広げた。また,Google Earth上での時空間情報の可視化にあたってはローカルに置かれたデータとともに,ネットワーク上に配置したデータをを組みあわせたパッケージングの概念が成立することを確認した。都市デザインのシナリオに基づく多面的活用方法の検討として,ゲームエンジン'Unity'の上で仮想的な都市環境を構築した。ここでデータ変換の方法を確立し,建築物の建て替え更新シミュレーションのプロトタイプを例示したが,Google Earth等の他のプラットホームとの双方向性の実現が課題として残された。最後に,景観シミュレーションのプラットフォームとしてGoogle Earthを用いるため,研究期間中に実験を行った都市の時空間情報を実装するための一連の手順と具体的なデータ変換手法を整理,Google Earth自体の機能の変化にあわせた修正点を確認するとともに,情報の構造化を図った。
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