交付申請書においては、1.チャイルドライフ・スペシャリスト(CLS)や入院する子どもたちへのインタビューなどの実施計画、2.プリパレーションツールの作成とその効果測定の実施計画、3.米国の先進事例調査(Morgan Stanley Children's Hospitalなど)の実施計画を記した。1.については、こども病院に通院する、特に就学前後の年齢の子ども(入院経験のある子どもとない子どもを含む)を対象とするヒアリング調査を実施して、病院内の物理的環境を認知するためのアンカーポイントとなるエレメントを分析した。またこの調査と並行して小学校に通う子どもにも同様の調査を行い、空間認知能力の発達段階に、こども病院の環境がどのように影響しているのかを分析した。2.については、調査対象としたこども病院を紹介するリーフレット(マップなど)を作成・配布した。以上の結果から、通常の発達段階(小学校調査)と比較して、こども病院の空間は十分に認知されていないことが明らかになった。今後さらにメディア(リーフレット)の利用前後の調査結果を比較することにより、それが改善されることを実証する予定である(病院の内装工事が行われ、リーフレットをそれに対応させるために、配布時期を今年3月に延期した。その結果、上記のようにリーフレット配布前の調査分析は終了しているが、配布後の調査実施が繰り下げられた)。3.については、Morgan Stanley Children's Hospitalを含むニューヨークのこども病院三カ所において、実地調査とヒアリング調査を実施し、これらのこども病院の環境計画やプリパレーションツールの基本理念を明らかにした。
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