本研究の目的はキャンパスや大学施設のバリアフリー化、および障害学生支援に関する支援環境の整備手法を明らかにすることである。 今年度は大きく以下の二つの調査を行った。 (1)大学における障害学生の支援環境の整備状況を把握するため、郵送アンケート調査を行った。これにより、「障害学生に対する支援体制」「支援に関わるスペースの種類と整備状況」「支援担当者の施設バリアフリー化への関与状況」など、ハード面からみた障害学生支援の環境整備について全体像を把握した。さらに、障害学生支援室や支援センターなどと呼ばれている「支援拠点」について、「設置数」や「スペースの用途・機能」「運営体制」の全国での整備動向を把握することができた。 (2)障害学生支援委員会等の全学的な支援体制や、学生が相談や作業ができる障害学生支援室等の整備が整っている先進事例として14大学を全国アンケート調査の中から抽出し、障害学生支援担当職員ヘヒアリング調査及び支援環境の実態調査を行った。これにより各大学の「支援の沿革」「支援センターの運営状況、整備状況」「キャンパス全体での支援スペース整備状況」を把握した。その結果、支援拠点スペースの「設置形態」「立地・配置」「人的配置」「学生の利用状況」に関する空間整備の特性を明らかにすることができた。支援拠点整備の他にも、キャンパス全体での支援スペースや支援機器・設備類等ハード環境について整備状況を明らかにした。
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