研究概要 |
2007年度、8、9月にかけてエシフト、アコリス遺跡南方のザウィアット・スルターン採石場で調査を実施した。主に横穴に残るグラフィティの分析結果より、操業年代をプトレマイオス2世時代と推定し、切り出し方法切り出した石の規格について推定を行った。その成果は、3月名古屋大学で開催された公開研究会「前一千年紀のエジプト在地社会と文化変容-アコリス考古学プロジェクト2007-」にて、「アコリス周辺の採石場、採石過程の復元に向けて」として発表した。そこでは、操業がほぼ20年間の中に集約されることから、短期間に集中的に採石され、何らかのプロジェクトのために開発された可能性をしてきした。他方、ポンペイでは、城壁の3次元実測データをもとに、構成する石材を5種類に分類した。この結果は、"Report on the investigation of Pompeian City Walls in 2006and2007"としてポンペイ遺跡監督局および古代学研究所へ提出された。前3世紀はじめに一体的に建設されたとされる城壁が、実際には様々な時代に属する複合的な構造体である可能性を示しており、さらに分析を進める。また、19、20世紀半ばの過去の実測データとの比較から、これまの一般的な実測図に誤りがあることが判明し、スイスETHで開催された国際学会にて"Laser Scanning in Pompeian City wall A comparative study of accuracy of the drawings from 1930s to 1940s,3D-Arch'2007 3D Virtual Reconstruction and Visualization of Complex Architectures,2007 July"として発表した。
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