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2009 年度 実績報告書

石造建造物の発生と変容,そして終焉,西洋古代建築における「石」についての思想

研究課題

研究課題/領域番号 19560647
研究機関九州大学

研究代表者

堀 賀貴  九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (20294655)

キーワードアコリス / ポンペイ / 採石場 / レーザースキャニング / 排水計画 / 遺跡地図
研究概要

組積造がもたらした建築上の革新は,構造物の巨大化であったが,当該年度では,レーザースキャニングの技術を用いて,オスティアに残る建築物の実測を行った。とくに,カピトリウムなどの巨大建築物においては,この実測方法が有効であることを示した。壁面をオルソ画像によって実測する手法は,今後の研究の発展の可能性を示しており,非常にその意義は大きい。さらに,建築資材としてレンガが一般的となった後も,石材を用いて舗装され続けた道路について,土木都市計画的な視点から,計画性を指摘し,その実現のためには石材が依然として有用であったことを示した。道路面の凹凸によって,道路上の排水をコントロールするという発想は,古代西洋都市史においては,未だ考察されていない新しい考え方であり,本研究では高度な施工技術の一端が明らかにされた。また,エジプトにおける石材の生産が古代末期にも盛んであったこと,さらに短い操業期間の中で集中的に生産が行われていたことを示し,古代末期においても,石材の有用性は決して失われることは無かったことを示した。石灰岩は大理石に代表される一部の装飾的な石材として研究されてきたが,本研究では,石材が大量に,かつ組織的に生産される一般的な資材であったことを示しており,古代末期の石灰岩の用途について,さらなる研究が待たれる。最後に,研究に不可欠な基礎データである遺跡地図について,レーザー実測の結果から,修正を加えたことは学術的な意義は大きい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)

  • [雑誌論文] Laser Scanning in Ostia a Comparative Study of Accuracy of the Drawings in 1950s and Field Survey on Tall Structures2009

    • 著者名/発表者名
      Yoshiki HORI, Asami Hangai
    • 雑誌名

      Proceedings of the 3^<rd> ISPRS International Workshop 3D-ARCH 2009 : "3D Virtual Reconstruction and Visualization of Complex Architectures" (Web版)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ポンペイにおける道路排水計画に関する考察(1)2009

    • 著者名/発表者名
      堀賀貴
    • 雑誌名

      日本建築学会計画系論文集 第74巻, 第642号

      ページ: 1895-1904

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 中部エジプト, ナズラ・スサィン・アリ東採石場の操業期間2009

    • 著者名/発表者名
      堀賀貴
    • 雑誌名

      日本建築学会計画系論文集 第74巻, 第642号

      ページ: 1911-1919

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Revising general maps in the light of evidence based on new surveys in Pompeii and Ostia using a long-range laser scanner2009

    • 著者名/発表者名
      堀賀貴
    • 雑誌名

      22nd CIPA Symposium, October 11-15, 2009, Kyoto, Japan

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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