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2010 年度 実績報告書

石造建造物の発生と変容,そして終焉,西洋古代建築における「石」についての思想

研究課題

研究課題/領域番号 19560647
研究機関九州大学

研究代表者

堀 賀貴  九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (20294655)

キーワードポンペイ / オスティア / アコリス / 組積造 / 道路排水 / 都市計画 / 石材 / 巨大性
研究概要

イタリアのポンペイ、オスティア遣跡およびエジプトのアコリス遺跡において実測調査を進めた。平成21年までの調査結果をもとに,11月に英国,イタリアより研究者を招聘し,東京,京都,福岡にてt国際シンポジウムを開催した。これまでの研究成果および世界の最先端の研究成果について公開するとともに,本研究についてもエヴァリュエーションいただき,高い評価を得ることができた。さらに,今後の研究についても高い期待が寄せられた。本シンポジウムでは,ポンペイとオスティアを比較することで,石材中心(とくに乱石積みとして)の都市ポンペイとレンガ造中心の都市オスティアの共通点と相違点が明らかになった。共通点は,石によって舗装され続けた道路がもつ都市機能であり,ポンペイにおいて新たに指摘された微細な凹凸による排水のコントロールとオスティアでも洪水対策としての地盤のかさ上げという形で見いだされた。相違点は,建築の高層化技術の一つとしてオスティアでは石材が利用されていた可能性があるが,今後のテーマとして課題を残した。ポンペイにおける道路排水の思想については,国際学会でその成果を公表した。つぎに,エジプトでは,ポンペイやオスティアには視られない巨石文化についての考察を進めた。巨石を巡る技術や文化が,後の古代ローマとは全く異なること,そしてエジプトでは巨大性という文化が保存されるのに対して,エジプトを支配したローマ入は,その技術的側面を実利的に応用することで,古代ローマのエジプトとは異なる巨大性を実現したことを示した。本研究成果も,国際学会にて公開されている。また,これまでのンペイの研究成果を著書(英文)として刊行した。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] LASER SCANNING OF A MONOLITHIC COLUMN DURING PROCESSING IN MIDDLE EGYPT2011

    • 著者名/発表者名
      O.Ajioka, Y.Hori
    • 雑誌名

      4th International Workshop 3D-ARCH 2011, "3D Virtual Reconstruction and Visualization of Complex Architectures"

      巻: (Web版)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Drainage System of the rainwater and the excess water discharged on the streets of Pompeii, European Association of Archaeologists2010

    • 著者名/発表者名
      Yoshiki HORI
    • 雑誌名

      European Association of Archaeologists, 16th Annual Meeting, 1-5 September 2010

      巻: (USB版)

    • 査読あり
  • [学会発表] ポンペイ・オスティアにおける商業空間の分布に関する基礎的考察2011

    • 著者名/発表者名
      大屋綾乃, 堀賀貴
    • 学会等名
      2010年度 第50回 日本建築学会九州支部研究発表会
    • 発表場所
      鹿児島大学
    • 年月日
      2011-03-06
  • [学会発表] オスティアにおける古代ローマ都市・住宅の構造にみるテヴェレ川の氾濫の影響に関する研究2011

    • 著者名/発表者名
      中道大樹, 堀賀貴
    • 学会等名
      2010年度 第50回 日本建築学会九州支部研究発表会
    • 発表場所
      鹿児島大学
    • 年月日
      2011-03-06
  • [学会発表] 3Dレーザースキャニング技術の遺跡調査における応用について2011

    • 著者名/発表者名
      岩田和也, 堀賀貴
    • 学会等名
      2010年度 第50回 日本建築学会九州支部研究発表会
    • 発表場所
      鹿児島大学
    • 年月日
      2011-03-06
  • [学会発表] Akorisにおける岩窟墓のローマ期の改修に関する研究2011

    • 著者名/発表者名
      大川正典, 堀賀貴
    • 学会等名
      2010年度 第50回 日本建築学会九州支部研究発表会
    • 発表場所
      鹿児島大学
    • 年月日
      2011-03-06
  • [図書] Pompeian Town walls and Opus Quadratum(Etani, H.ed.)(Pompeii Report of the Excavation at Porta CAPUA 1993-2005.)2011

    • 著者名/発表者名
      Yoshiki HORI
    • 総ページ数
      328
    • 出版者
      (財)古代学協會
  • [備考]

    • URL

      http://history.arch.kyushu-u.ac.jp./

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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