●研究内容 珠洲の各地における秋季祭礼調査、ならびに珠洲らしい地域づくりを支援するフォーラムを開催し、珠洲の住民とともに今後のキリコ祭りを継続していく意義について意見交換を行った。加えて基礎文献の収集活動を行った。 ○祭礼調査:ヒアリング9地区(6月~9月) 祭礼調査としては、珠洲市内公民館10館区において公民館長を中心に祭礼の実態等についてヒアリング調査を実施した。ヒアリング調査した結果については、祭礼文化衰退について分析を経て、平成22年度には珠洲市教育委員会および珠洲市企画財政課とともに小中学生対象の地域教育用副読本の基礎資料として活用される予定である。 ○フォーラム:「キリコ祭り囃子写真展」(「奥能登キリコ囃子フォーラム」)(12月20日-27日) 平成19年度以降、2回続いたキリコ祭りに関する総合的なフォーラムの3回目に当たる本年度は、祭礼の写真を中心に地域住民に紹介し、併せて祭礼継続についての住民の声を集約した。なお、今回は珠洲市が企画した「奥能登キリコ囃子フォーラム」と共同開催を行った。 ●意義/重要性 奥能登地域では部落ごとに高さにして15尺を超えるキリコを保有しており、奥能登全域で700を超えるキリコがあると推定される特徴的な地域であるにも拘らず、祭りそのものの意義が住民の中でも薄れ、部落の統廃合などによって地区固有の祭り文化が失われつつある。このような状況の中で、祭礼調査をもとにした住民フォーラムを開催することで、郷土史家との共同研究の連携を培い、住民にもキリコ祭りの意義を再確認することができた。
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