• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

鉄合金のα/γ界面移動に及ぼすSi,Mn複合添加の効果

研究課題

研究課題/領域番号 19560660
研究機関茨城大学

研究代表者

榎本 正人  茨城大学, 工学部, 教授 (70241742)

キーワード鉄合金 / オーステナイト / フェライト / 合金元素 / 強磁場 / 核生成 / 成長
研究概要

Fe-0.1C-3Mn合金を8テスラの磁場中で熱処理し、強磁場が変態速度に及ぼす効果を核生成、成長に分けて考察した。その結果、強磁場はフェライトの核生成と成長の双方を促進するが、その効果は成長モードによって異なる。炭素の拡散で律速される速い成長モードでは促進効果はより顕著に起こり、Mnの拡散で律速される遅い成長モードでは促進の度合いは小さい。また、Mnを2〜3%添加すると、磁場中ではフェライト相を不安定にする効果があることが計算により判明した。これは、Mnがキュリー点を下げ、鉄の磁気モーメントを下げることによる。従って、遅い成長モードで変態促進効果が低減するのは、この領域ではMnの拡散によって成長が律速されることの他にも、フェライトを不安定にする効果もあると考えられる。また、速い成長と遅い成長の境界は8テスラの磁場で〜20℃上昇することが判明した。Fe-0.1C-1.5Si-3Mn合金についても磁場中で熱処理を行い、同様な促進効果を観察した。変態挙動には、オーステナイト化温度の影響が大きいので、次年度は引き続き、オーステナイト化温度の影響と磁場による変態の促進効果を検討する。また、速い成長と遅い成長における合金元素(Si,Mn)の分配挙動を調べるために、加工熱処理を行った。予備的な組織観察では、遅い成長の領域で、非常に微細なフェライトが生成し、合金元素の分配が起こっていると予想される。これについては次年度にSTEM-EDXによる分析を行う。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Effects of Substitutional Solute Accumulation at α/γ Boundaries on the Growth of Ferrite in Low Carbon Steels2007

    • 著者名/発表者名
      H. Guo and M. Enomoto
    • 雑誌名

      Metall. Mater. Trans. A 38A

      ページ: 1152-61

    • 査読あり
  • [学会発表] Influence of Magnetic field on Ferrite Transformation in an Fe-C-Mn Alloy2008

    • 著者名/発表者名
      N. Hosokawa, G Zhang, M. Enomoto, M. Kagayama and Y. Adachi
    • 学会等名
      日本鉄鋼協会
    • 発表場所
      春季講演大会武蔵工業大学
    • 年月日
      2008-03-27
  • [学会発表] Fe-C-Si-Mn合金におけるフェライト変態2008

    • 著者名/発表者名
      榎本正人
    • 学会等名
      日本鉄鋼協会
    • 発表場所
      春季講演大会(討論会)武蔵工業大学
    • 年月日
      2008-03-27
  • [備考] 茨城大学研究者情報総覧

    • URL

      http://info.ibaraki.ac.jp/scripts/websearch/index.htm

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi