スズ粒子をAl-Cu-Fe準結晶母相に添加し、800度にて熱処理を行った。母相である準結晶相は、熱処理と同時に、五面体形状を示すdodecahedral形状に変化し、スズ粒子は、五回転対称軸と(200)面が整合性を示し、凝固することが分かった。その際の凝固は、222℃で起こり、接触角度は9゜であった。また、熱処理時間が長くなるにつれ、より多くの面でよい結合性を示し、接触角度は、9、14、22、27゜を有し、凝固は190℃で起こることが分かった。本試料の格子定数は、シンクトロンにより評価し、その場溶融・凝固挙動も併せて調査した。これらの結果は、学術誌:Scripta Materialiaに掲載され、日本金属学会およびTMSにて発表を行った。 Bi粒子を有するAl-Cu-Fe材を800度にて5〜20分熱処理を行い、その熱処理効果を調査した。熱処理時間が長くなるにつれ、Bi粒子が粒界に移動し、ナノサイズおよびミクロンサイズからなるduplex構造を構成することが分かった。また、粒界上に存在する粒子サイズにより融点が異なり、ナノサイズ粒子では272℃、ミクロンサイズ粒子では280℃を示し、シンクトロンの結果から、格子定数が異なることがひとつの要因であることが分かった。
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