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2009 年度 実績報告書

無機酸化物単結晶の表面自由エネルギー実測法の開発および結晶モルフォロジーの研究

研究課題

研究課題/領域番号 19560674
研究機関信州大学

研究代表者

鈴木 孝臣  信州大学, 工学部, 准教授 (20196835)

キーワード結晶成長 / 表面自由エネルギー / 結晶モルフォロジー / 天然結晶
研究概要

結晶成長分野において表面自由エネルギーを実測することは研究開始当初を含め、この百年以上だれも行っていない。また現時点においても当研究者の手法を模倣する者は現れていない。そこで当研究者は結晶成長分野の理論で最も重要な概念である、結晶表面自由エネルギーを実測し、理論研究と現実系との橋渡しをする目的で研究を行った。コロイド界面化学分野で広く用いられている液体接触角による手法で結晶の表面自由エネルギーを測定する。研究対象の結晶としてはその合成条件が明確な人工結晶を研究の開始点とした。その後しだいに解析が困難な天然結晶を研究対象とした。とくに業者などから購入した天然結晶では表面の状況が本来の結晶成長時と異なり、他人による加工が加えられている可能性がある。そこで人工結晶を合成したときの経験をもとに人工結晶表面の部分的融解とエピタキシャル再成長を行い、天然結晶が成長した当時の状況を再現する試みを行った。天然結晶表面の部分融解およびエピタキシャル再成長による表面処理を行った。天然ルビーのように硬い母岩中で採取される単結晶は母岩から取り出す際に結晶面に多くの傷がついてしまう。さらに結晶表面には除去しきれなかった母岩成分が多量に残っている。したがってそのままでは液体接触角の測定は無意味なものとなる。人工ルビーを合成する際に用いるフラックス成分は水溶性であり、結晶合成後に簡単に除去でき結晶表面は清浄である。そこで天然のルビー結晶を水溶性フラックスで部分的に融解した。その後フラックスを蒸発させ過飽和状態にして結晶面にルビーを再結晶させた。この手法で天然結晶内部の欠陥はエピタキシャルに表面上に再現することができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Specific surface free energy of ruby ingle crystals from Mo- and Pb-based flux2009

    • 著者名/発表者名
      Takaomi Suzuki, Eiichi Iguchi, Hisashi Soga
    • 雑誌名

      J.Crystal Growth 312

      ページ: 1210-1212

    • 査読あり
  • [学会発表] Experimental Determination of the Specific Surface Free Energy of Ruby Single Crystals Using Contact Angle of Liquid Droplet2009

    • 著者名/発表者名
      Takaomi Suzuki
    • 学会等名
      17^<th> American Conference on Crystal Growth and Epitaxy,
    • 発表場所
      Lake Geneva, Wisconsin, US.
    • 年月日
      2009-08-13
  • [図書] これならわかる熱力学2009

    • 著者名/発表者名
      鈴木孝臣
    • 総ページ数
      84
    • 出版者
      三共出版

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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