研究課題/領域番号 |
19560677
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
森賀 俊広 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (90239640)
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研究分担者 |
村井 啓一郎 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 講師 (60335784)
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キーワード | 透明導電膜 / 酸化亜鉛 / 酸化インジウム / アモルファス / 対向ターゲット式dcスパッタ / 有機基板 / ブルーシフト / ドーパント |
研究概要 |
対向ターゲット式dcスパッタリング装置を用い。ZnO-In_2O_3系アモルファス薄膜における、ドーパントとしてのAl^<3+>や他の13族元素などの透明導電性に対する影響、及びキャリアを生み出す要因となっている酸素欠損とドーパントの相互関係を明らかにすることを目的とした。基板としてPC(ポリカーボネート)基板を用いると、通常の無アルカリガラス(Corning#1737)基板を用いたときに比べ、光透過スペクトルにおいて基礎吸収端の位置が短波長側にシフトする現象(ブルーシフト)が見られた。抵抗率は、約1桁上昇した。しかしながら、Al^<3+>やGa^<3+>を添加することにより基礎吸収端の位置は更に短波長側にシフトし、かつ抵抗率はガラス基板の場合とほぼ同じあるいは凌ぐ程度(3〜4×10^<-4>Ωcm)にまでに向上した。また、そのアモルファス薄膜の基本構造となるホモロガス相Zn_kln_2O_<k+3>のk=3の場合について、X線Rietveld解析および第一原理計算の1つであるCASTEPを用いて、結晶構造の精密化およびバンド構造をそれぞれ明らかにした。X線Rietveld解析では、Zn_3ln_2O_6はlnO_2^-層とZn_3lnO_4^+層が交互に積み重なっている構造として精密化できたが、CASTEP解析の結果、Zn_3lnO_4^+層中のZnとlnは、全く無秩序に四面体席と三角両錘席のそれぞれ金属サイトを占めるのではなく、lnがむしろ四面体席を優先的に締めるのではないかということが示唆された。
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