研究課題/領域番号 |
19560678
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
堤井 君元 九州大学, 総合理工学研究院, 准教授 (10335995)
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研究分担者 |
岡田 勝行 物質・材料研究機構, ナノセラミックスセンター, 主幹研究員 (10354432)
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キーワード | 半導体 / ダイヤモンド / 電子デバイス / プラズマ / ドーピング / 粒界 / CVD / 薄膜 |
研究概要 |
高密度マイクロ波プラズマCVD法を用い、プラズマ気相反応の制御によってナノダイヤモンド前駆体「C_2ラジカル」の生成を促進し、膜中のナノ粒子の割合を増やし、電子移動度の向上を狙った。すなわち、高濃度アルゴン希釈を行い、アルゴン準安定粒子とアセチレン等の炭化水素ガスの反応によるC_2ラジカルの効率的な生成を図った。その結果、明瞭なダイヤモンドピークを示すラマン散乱スペクトルをもつナノダイヤモンド薄膜が得られた。従って、本手法により膜中のナノ粒子の割合を制御し、ナノ粒子の高密度・集積化が可能であることが分かった。窒素添加して石英上に得られた薄膜について、ホール測定によってキャリア特性を評価した。その結果、膜中のナノ粒子の割合の増加とともに、膜の電子移動度は増加することが分かった。 Van der Pauw法によって電気伝導特性を評価した。電気伝導度の温度依存性を解析することによって、ミリ電子ボルトオーダーの極めて低い電子活性化エネルギーをもつこと、そして電子輸送過程はVariable-Range Hopping伝導の可能性が高いこと等が分かってきた。また成膜時の基板温度が高い場合、添加する窒素濃度が極微量であっても、得られる薄膜はn型伝導性を示すことが分かった。 電子顕微鏡観察によってナノ粒子とアモルファス相の界面の微細構造を調べた。その結果、窒素添加によって膜中のナノ粒子の割合が減少すること、成膜温度の増加とともにアモルファス相中の炭素sp^2結合の結晶性が増すこと、などが分かった。
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