研究課題/領域番号 |
19560679
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
鮫島 宗一郎 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (00274861)
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研究分担者 |
平田 好洋 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80145458)
松永 直樹 鹿児島大学, 工学部, 助教 (40405543)
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キーワード | 固体酸化物形燃料電池 / 電極反応 / 複素インピーダンス / 反応過電圧 / オーム抵抗 / 電極構造 |
研究概要 |
固体酸化物形燃料電池の普及のため、耐久性の向上と材料コストの低減が求められ作動温度の低温化が検討されている。本研究ではガドリニウム固溶セリア(GDC)を電解質材料(厚さ30-100μm)、ニッケル-GDCサーメットを負極材料(厚さ約2mm)、SrRuO_3を正極材料(厚さ100μm)に用いた負極支持型の単セルを作製した。負極側に燃料とし水分3vol%を含む水素を、正極側に空気を流し、600-800℃で発電を行った。800℃での開回路電圧および最大出力密度は0.51-0.74V、0.21-0.38W/cm^2であった。開回路電圧は燃料極の酸素分圧からネルンストの式で計算される理論起電力(1.01-1.06V)に比べ低かった。出力密度は電解質を1400℃で焼結したセルの方が1200℃で焼結したセルよりも高く、電解質厚さ30μmのセルで最も高い値0.38W/cm^2を示した。800℃で正極と電解質上に設置した白金参照極間のインピーダンスを測定した。測定された複素インピーダンスは一つのオーム抵抗、2つのオーム抵抗一容量成分の並列回路、一つの抵抗-コイル成分の並列回路が直列につながった等価回路で表された。反応過電圧に対応する円弧部分の抵抗は正極材料の仮焼時間が長くなると増大した。電子顕微鏡観察で仮焼時間の増加による正極粒子の増大が確認された。過電圧増加の原因は正極粉体の仮焼時間の増加による粒子径の増大に伴い、反応場である三相界面減少したためと考えられる。
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