研究概要 |
本研究は,プラズマ反応を用いた新しいハイブリッド型ナノ粒子の創製を試み,その特性評価を通じて,機能性の探索を目的とするものである. 本研究のハイブリッドナノ粒子を生成させるための原材料合金は,A元素としてTi(窒素との親和力が大),B元素としてSi(Tiより窒素との親和力が小)に選定した. 得られたナノ粒子は,当初想定していたCo-TiN,Fe-TiNなどの系で得られた亜鈴状型やダイス型複合粒子とは異なった,直方体状や立方体状および六角状,八角状などが混在した粒子が観察された.TEMおよびXRD測定結果からこれら粒子は,TiNとTiとsiの金属間化合物Ti_3si_5およびsiと同定された.EDSによる面分析結果から,これら粒子の内部はTiとNが分布しており,外周部はSiとTiで構成されていることが確認された. これらの結果より,TiN-Si複合ナノ粒子の生成過程は,(1)強制蒸発法によりTiおよびSi蒸気発生(2)TiN核生成-成長-立方体形成(3)Ti_3si_5核生成一成長(4)TiN粒子とTi_3si_5粒子が付着成長(5)si核生成-成長(6)TiNへのTi_3si_5やsiが付着であると推定された. 言い換えれば,Ti-si系複合ナノ粒子の生成は,Tiおよびsi蒸気から核生成がTiN-Ti_3si_5-Siの順位で発生・成長し,これらが飛行・衝突した結果と結論した. 反応性アークプラズマ法は,金属,セラミックスがナノサイズ領域で結合した材料を比較的簡単な装置で作製できる.上記したTiN-Si系材料はその一つであるが,材料と反応ガスの選択で種々多くの新奇材料の創製が可能になると考える.
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