研究概要 |
1.黄銅のねじり戻し加工材の特性に及ぼす結晶粒度と熱処理の影響の検討 市販の鉛入り60/40黄銅棒(直径20mm)について、600℃アルゴン雰囲気中で加熱し、1h,15h,80h,175時間の加熱を行い、結晶粒サイズを15,30,40そして60μmlに調整し、また焼鈍後の冷却速度を変化させてα相β相割合を変えた。これら試料について再外周部での歪み量γ=0,42となるねじり加工を加えて次の結果を得た。(1)同一視野をαエッチングとβエッチングを行うことでα相β相のそれぞれの体積率を求めることが出来た(2)60/40黄銅の再結晶過程においてはβ相に比べてα相の成長速度が大きい。(3)ねじり加工による加工硬化量は、中心部ではα相サイズが大きい程大きい。 1.応力腐食実験 鉛入り60/40黄銅棒(直径18mm)にとなるようにねじり加工,ねじり戻し加工(共にひずみ量はγ=0.38)を施した俊、これらの棒から長さ30mmの試料を切り出してこの中心に中心に深さ15mm×Φ11mmの穴を明け、R1/4のテーパネジを埋め込み、デシケータ中のアンモニア雰囲気下で10時間の腐食実験を行った。市販の引き抜き加工材ならびに焼鈍材を比較材として同時に試験した。(1)ひき抜き加工材は4時間で試料外周部に縦割れが発生した。(2)ねじり戻し加工材、ねじり加工材共試料横断面部での細か観察された。割れ数は時間と共に増加すが、両加工法による差違は現状では定かでない。(3)ねじり加工、ねじり戻し加工は共に応力腐食割れの有効な対策となることが予想出来る。
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