現在、永久磁石や磁心材料などの磁性材料はトランスやモータだけではなく、幅広く電気・情報機器に使用されており、現代社会においては必須の工業材料のひとつになっている。また現在使用されている電気エネルギーの約半分はモータ類に使用されており、省エネルギーや環境問題からもこれらの磁性材料の高性能化が望まれている。しかし、これらの磁性材料は主に鉄などをベースとした金属材料やセラミック材料が使用されており、それらの磁気特性はまだ向上しておりこれからの研究開発によりこれらの磁性材料の磁気特性がどこまで向上できるかはまだ見極められていないが、いずれ限界に突き当たるであろうと推測されている。 そこで、本研究では新しい磁性材料として金属よりも軽量で耐食性が優れている炭素などの有機材料に注目した。これらの有機材料は磁性材料として注目されていないが、もし有機材料の磁気特性を付与した有機磁性材料として開発できれば、有機材料である特徴を生かし、素晴らしい磁性材料になるのではないかと思われる。そこで、これらの有機材料の磁気特性について調べることを目的とする。
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