研究課題
本年度は、超磁歪材料であるTb-Fe薄膜およびSm-Fe薄膜作製に際し、プラズマ特性から求めた基板に入射するスパッタガスイオンの運動量をパラメータとして膜に発生する内部応力を評価する方法を開発した。その結果イオンの運動量と膜の内部応力の間に良い直線関係が得られることを明らかにした。この評価方法では従来の粒子のエネルギーを用いた評価方法と異なり、スパッタガス種に依存せず統一的に評価できる。この手法を用いると、異なるスパッタガス種で成膜した場合でも、粒子の運動量を制御することにより、磁歪感受率等の磁歪特性が同じ膜の作製が可能となる。最近の薄膜技術においては、半導体素子の特性、磁性膜の特性、光学薄膜の特性、硬質膜の寿命などは、いずれも膜の内部応力に強く依存することが知られている。本研究室で開発した手法は多くの分野で従来困難だとされてきた、磁歪感受率のような薄膜の磁歪特性の設計を可能とするものである。鉄-IIIA族元素の磁歪薄膜の研究において、イオンプレーティング法のようなプラズマプロセスを用いた場合、イオン衝撃によって導入された大きな過剰エネルギーを投入することができる。その際、形成された薄膜中に固溶限を超えた溶質原子が鉄中に固溶した過飽和固溶体が作製可能なことを明らかにした。これらの膜は鉄膜とは異なる磁歪感受率のような磁歪特性を示す。以上のように本研究においては、従来の手法では作製不可能な新しい合金が創製できると考えられろ。
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