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2008 年度 実績報告書

フッ化物環境中で耐食性を有する歯科臨床用チタン合金の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19560712
研究機関関西大学

研究代表者

春名 匠  関西大学, 化学生命工学部, 准教授 (70243186)

キーワードチタン / ニッケル / フッ化物水溶液 / 耐食性 / pH / 歯科医療用材料
研究概要

近年優れた耐食性を示すチタンおよびその合金が歯科医療用材料として注目されているが,う食予防に使用されるフッ化物水溶液には耐食性を示さない.そこで,研究代表者はフッ化物水溶液中において耐食性を示すTi合金の開発を行い,Ti-Mg合金がフッ化物水溶液中で優れた耐食性を示すことを見出した.また、昨年の研究から、TiNiがフッ化物水溶液中で優れた耐食性を示すことを明らかにした。そこで、今年度は種々のTi-Ni合金を作製し,フッ化物水溶液に対する耐食性の発現を検討することおよびその耐食機構の解明を行うことを本研究の目的とした.
その結果、TiはpH3.8以上のHF+NaF([F^-]=0.024 kmol・m^<-3>)水溶液中で活性態が出現し耐食性が悪化した.一方,ほとんどのTi-Ni合金はpH3.4以上のHF+NaF([F^-]=0.024kmol・m^<-3>)水溶液中で活性態が出現したが,Ti-2.0mass%Niのみ活性態が出現せず不働態を維持していた.また,Ti-Ni合金の自然電位はTiに比べ高電位側にシフトしており,腐食速度もTiに比べ低下していた.特にTi-2.0mass%Niは,他のTi-Ni合金に比べ著しく自然電位は高電位側にシフトし,腐食速度は低下した.特に,Ti-2.0mass%Niはアノード電流密度が最も低下し,著しく自然電位が高電位側にシフト,腐食速度が低下したため最も優れた耐食性を示すことが明らかになった.
TiにNiを添加すると,カソード電流密度は不変であったが,Tiに比べ活性態アノード電流密度が低下することで,自然電位はTiよりも高電位側にシフトし,腐食速度はTiよりも低下したと考えられる.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] フッ化物水溶液中におけるTi-Mg合金の耐食性に及ぼすフッ化物イオン濃度の影響2008

    • 著者名/発表者名
      春名匠, 他
    • 学会等名
      第115回軽金属学会秋期講演大会
    • 発表場所
      工学院大学
    • 年月日
      20081100
  • [学会発表] Corrosion Resistance of Ti-Ni alloys in Aqueous Fluoride Solution2008

    • 著者名/発表者名
      Masahiro Kotani, 他
    • 学会等名
      214th Meeting of the Electrochemical Society
    • 発表場所
      Hawaii, USA
    • 年月日
      20081000
  • [学会発表] フッ化物水溶液中におけるTi-Ni合金の腐食におよぼす予備浸漬の影響2008

    • 著者名/発表者名
      小谷昌弘, 他
    • 学会等名
      第142回日本金属学会2008年度秋期講演大会
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      20080900
  • [学会発表] フッ化物水溶液中において耐食性を有するTi-Ca合金の開発2008

    • 著者名/発表者名
      篠原斎, 他
    • 学会等名
      第142回日本金属学会2008年度秋期講演大会
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      20080900

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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