プラスチックをはじめとした低融点材料の基板上への薄膜作製が求められている。本研究で用いる沿面放電法は大気中での放電が可能であり、大規模な装置が不要であることなど、低コストプロセスと考えられる。さらに沿面放電電極の形状による薄膜のダイレクトパターニングも期待されている。本研究では沿面放電法による透明導電性薄膜の作製を試みた。 まず、沿面放電時に発生する熱の影響で薄膜が作製するかどうかを検討した。3分間放電した場合においても最大で93.8℃にしか上昇せず、膜作製原料溶液であるDBTDA溶液やZn(NO_3)_2・6H_2O溶液の熱分解温度には及ばないことがわかった。一方で、このときの放電エネルギーは原料溶液の熱分解に充分なエネルギーが供給できることが明らかになった。また、放電時の雰囲気は大気中でも窒素中でも変わらないことがわかった。この結果を踏まえて、原料溶液にアンモニア水を添加することにより同条件において酸化亜鉛層の単相化に成功した 酸化物膜の形成に成功したので、次に薄膜のダイレクトパターニングを試みた。電極パターンに沿って白結晶が形成されており、断面の厚さを測定したところ、電極パターンに沿って厚さが変化することを確認した。
|