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2008 年度 実績報告書

対向液圧成形における液圧分布の解明と有限要素解析への応用

研究課題

研究課題/領域番号 19560727
研究機関京都大学

研究代表者

宅田 裕彦  京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (20135528)

研究分担者 浜 孝之  京都大学, エネルギー科学研究科, 助教 (10386633)
藤本 仁  京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (40229050)
キーワード対向液圧成形 / 液圧分布 / 圧力媒体流出 / 摩擦低減効果
研究概要

本年度は材料の変形プロセスと圧力推移の関係に注目して詳細な検討を行った.ダイ肩部への圧力測定点の設置および最大圧力の制御機能を追加した新たな金型により実験を行った.以下に得られた知見を箇条書きに示す.
(1)予備実験として,しわ押さえに用いるバネの本数やバネ定数を変化させて実験を行い,バネ条件の圧力推移に及ぼす影響を検討した.その結果,バネ条件によらず圧力推移はほとんど変化しなかった.従って本実験で得られる知見は,しわ押さえ力付与の方法によらず一般的な特性として捉えられることが判った.
(2)従来の研究では,成形初期で液圧室内圧力が急上昇を始めるのは「圧力媒体がシールされる」ため,と説明されてきた.しかし具体的に「シールされる」のがどのような変形状態なのか明らかではなかった.今回詳細に調査した結果,成形開始直後からダイ肩近傍で発生していた逆張り出し変形が消滅することで材料とダイの間隙が狭くなり,その結果圧力媒体の流出が妨げられて液圧室内圧力が急上昇することが判った.これより,「圧力媒体のシール」現象と材料の変形状態の相関を明らかにすることができた.
(3)圧力媒体がシールされることでダイ上面の圧力は低下する.その後材料がダイ肩になじむことで,圧力媒体の流出がさらに妨げられてダイ上面の圧力がさらに低下する.しかしその低下量はシールされることによる低下に比べて小さいことが判った.これより,ダイ上面の圧力低下には,ダイ肩へのなじみよりもシールの影響が大きな要因であることが判った.
(4)しわ押さえ力を変化させて実験を行った結果,成形初期の圧力推移はしわ押さえ力によってほぼ決定されることが判った.この知見に基づいて,新たな流出開始圧力を定式化した.昨年度提案したモデルでは流出開始時のパンチ力が必要だったのに対して,新しいモデルではしわ押さえ力のみから計算できるため,さらに汎用性の高いモデルであると言える.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Outflow characteristics of a pressure medium during sheet hydroforming2009

    • 著者名/発表者名
      Takayuki HAMA, Ken KURISU, Keita Matsushima, Hitoshi FUJIMOTO, Hirohiko TAKUDA
    • 雑誌名

      ISIJ International 49

      ページ: 239-246

    • 査読あり
  • [学会発表] Outflow characteristics of a pressure medium during square-cup sheet hydroforming2008

    • 著者名/発表者名
      Takayuki HAMA, Ken KURISU, Keita Matsushima, Hitoshi FUJIMOTO, Hirohiko TAKUDA
    • 学会等名
      The 9th International Conference on Technology of Plasticity (ICTP 2008)
    • 発表場所
      韓国・慶州
    • 年月日
      2008-09-09

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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