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2007 年度 実績報告書

ナノ粒子を用いた複合型自己修復剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19560730
研究機関広島大学

研究代表者

矢吹 彰広  広島大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70284164)

研究分担者 奥山 喜久夫  広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00101197)
FERRY Iskandar  広島大学, 大学院・工学研究科, 助教 (00452607)
キーワードナノ粒子 / 自己修復性 / コーティング / 皮膜 / アルミニウム / マグネシウム / 腐食 / 防食
研究概要

本年度は従来のクロメート処理に変わる複合型自己修復剤としてアルミニウム合金およびマグネシウムの防食に有効なナノ粒子と有機修復剤の探索のため,それぞれ単独の防食挙動の把握を主に行った。実施内容は以下のとおりである。
1.ナノ粒子の防食特性の把握
アルミニウム合金およびマグネシウムの腐食試験を0.005%食塩水中で実施した。溶液のpHを4から12に変更してpH感受性について調べた。試験液にナノ粒子を添加し,腐食試験を行い,ナノ粒子の種類としてシリカ,チタニア,アルミナ粒子が防食に有効であることが分かった。ナノ粒子の大きさについては直径が20nm以下の粒子が有効であった。
2.有機修復剤の特性の把握
有機修復剤による評価試験をナノ粒子の場合と同様に行った。有機修復剤についてはカゼイン,クエン酸に修復作用があり,分子サイズが大きく末端基が金属とキレート結合するカゼインが特に有効であった。有機修復剤においては,欠陥が生じた場合にpHの上昇によって修復物質が拡散するかを調べる必要があり,カゼインミセルはpHによって粒子サイズが変わり,自己修復に有効であることが分かった。
3.塗膜の腐食特性の把握
塗膜として用いるフェノール樹脂の腐食特性を調べた。基礎試験として樹脂のみをアルミニウム合金にコーティングし,腐食試験を行った。自己修復性の評価には腐食抵抗はどのように変化するかをモニタリングする必要があり,自動測定を行うための装置,プログラムを作成した。試験片を腐食液に浸漬させて,塗膜に欠陥を付与し交流インピーダンス測定から腐食抵抗を求めた。
以上の結果を踏まえ最終年度となる来年度はナノ粒子と有機修復剤を複合化した場合の防食挙動の把握および塗膜への複合自己修復剤の添加を行い,本研究についてさらに検討を進めたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Barrier and self-healing abilities of corrosion protective polymer coatings and metal powders for aluminum alloys2007

    • 著者名/発表者名
      矢吹彰広
    • 雑誌名

      Materials and Corrosion 58・7

      ページ: 497-501

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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