研究課題/領域番号 |
19560732
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
吉田 憲一 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (50200986)
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研究分担者 |
西野 秀郎 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (50316890)
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キーワード | 省エネルギー / 流体工学 / AE法 / ジェット噴流 / 波形解析 |
研究概要 |
実験用配管の内部と外部の圧力差を利用してガスの漏洩を発生させるガス漏洩発生実験装置を用いて、様々な人工欠陥孔(直径0.2〜0.5mmのピンホール、幅0.2〜0.5mmおよび長さ3〜5mmのスリット、段付きピンホール)からガス漏洩を発生させる。漏洩箇所を発生源とする配管を伝播する超音波(AE信号)を検出し、このAE信号によって噴出ガスの挙動を明らかにするために、(1)この人工欠陥孔の形状、大きさおよびガス圧力とAE平均振幅値との相関を試みた。臨界圧力を越えると、すなわち、噴出ガス速度が音速を超えると、ジェット噴流を形成し、ガス圧力の上昇に伴い、AE平均振幅値が不安定に急増することがわかった。これはジェット噴流のエネルギー上昇に伴う現象であることがわかった。段付きピンホールの場合は、これに該当せず、初期圧力で不安定な現象が見いだされた。(2)AEピーク周波数の存在も確かめられ、圧力の上昇に伴い、このピーク周波数が減少することがわかり、ジェット噴流に特徴的なうなり現象(スクリーチトーン現象)と類似していることが判明した。欠陥孔の直径が大きくなるにつれて低い周波数に移行することと、段付きピンホールや円錐状欠陥の場合には生じにくくなり、スクリーチトーンが消滅してしまうことも見いだされた。スリット欠陥の場合には、不均一な流れを象徴する二つのスクリーチトーンが見いだされ、流体工学的見地からの取り扱いが可能であることが確認された。(3)流体力学による解析によって、検出されたスクリーチトーンに対するAEの発生源は、欠陥出口付近に形成される膨張壁の振動に強く依存していることが明らかにされた。
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