基本試料としてアルミナ/ニッケル混合粉末を用い、焼結特性、微細構造のデータ収集を行った。 1.基本試料の作製:アルミナ粉末とニッケル粉末にバインダー、分散剤を加え、ミリングし、ニッケル/アルミナ混合粉末を作製した。また、分散状態が異なる混合粉末を得るために、アルミナ単体の造粒粉とニッケル単体の造粒粉を混合した試料も作製した。混合割合は0〜100%の範囲で20%ずつ変えた。各混合粉末は粉末プレス、冷間静水圧成形機により圧粉し、熱機械分析装置用の円柱状試験片を作製した。 2.焼結特性の測定(焼結-圧縮試験):熱機械分析装置を用い、還元雰囲気中で脱バインダーを兼ねて、作製した試料を1100〜1300℃の温度まで加熱した。その後、10〜500gfの荷重を負荷し、気孔構造が大きく変化しない時間範囲で試料の高さ変化を測定した、この際、単純な加熱履歴では温度、時間と相対密度の関係は一義的に決まるが、同じ温度、時間条件で異なる相対密度の試料に対する測定を実現させるために、初期に高温で緻密化した後に低温に戻す加熱プログラムを組んだ。 3.微細構造のキャラクタリゼーション:相対密度などの粉末成形体、焼結体についての基本データを測定した。また、混合組織の分散状態として凝集粒子を観察した。特に、金属粉末とセラミックス粉末では粒径に差があるため、混合率、均一度により混合粉末の充填密度が変化する。混合粉末の焼結挙動を表す重要な指標のひとつとして、基本試料における均一度を算出した。
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