研究概要 |
FPD等の薄膜ガラスを,レーザにより発生させた熱応力を利用し,表面にのみ亀裂を進展させることで脆性材料にスクライブ線加工を施す技術がある.この手法は,レーザ焦点形状が楕円であることや,加熱直後を水により冷却するなどの条件が必要である.これまでの熱弾性解析で得られた結果から,新しく提案する2点照射の方法で,ガラスを高速スクライブするために,本研究では,2点間距離や出力,移動速度等と割断面状態の関連性などを実験から検証し,計算結果と併せて最適な加工条件設定について研究を行うことを目的として行った.そのために,以下のような実験計画を立てた. (1)実験装置冷却ノズルの改良と冷却熱量の評価,(2)2点間の加熱位置に対する最適な冷却位置の評価,(3)最適な冷却形状の評価 項目(1)については,コンプレッサーにより冷却水と空気を混合し,霧状となるようノズル等を改良して実験を行い,赤外サーモグラフィーによりその冷却領域と熱量の算出方法を改良し,FEM解析でも実験結果に近い値を得ることができた. 項目(2)については,項目(1)の結果からFEMにおける冷却面面積が精度良く算出されたため,加熱点と冷却点の最適な位置関係について示すことができた.また,項目(3)については,加熱幅に対する冷却幅の最適値について示すことができた.
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