研究概要 |
本研究は、イオン伝導性、特に酸化物イオンあるいはブロトン伝導性固体電解質の焼成あるいは作製時に精密に雰囲気中の水蒸気分圧制御あるいは状況よっては酸素、水素分圧制御を行うことで、今まで得られなかった新機能の発現を試みるものである。一般に酸化物系の固体電解質、所謂セラミックの焼成は大気中で電気炉等で行われるが、その雰囲気の精密な制御は行われていない。特に水蒸気は固体電解質のプロトン伝導性が発現する上で重要なが制御は行われていない。特に水蒸気は固体電解質のプロトン伝導性が発現する上で重要なガス成分ではあるが、焼成に上る作製晴には成り行き任せなのが現状である。イオン伝導体、特に酸化物プロトン伝導体においては焼成時の水蒸気制御は、そのプロトン伝導性、あるいは酸化物イオン伝導性のコントロールにおいては、プロトン伝導性の向上、あるいは、新たな特性を持った固体電解質の創製においては重要なファクターであると考える。 今年度はまず始めに前年度試作した精密水蒸気分圧制御装置のさらなる性能向上を目指し改良を行った。その結果、水蒸気分圧のみならず、酸素分圧,水素分圧の同時制御が可能な制御装置の開発に成功した。また、水蒸気分圧の応答性も十分に確認された。次に焼成条件である1600℃において、水蒸気、酸素、水素分圧を制御した場合の、プロトン伝導性固のプロトン伝導性への影響について検討を行った。その結果、特に水蒸気、および酸素分圧を機能的に制御することがプロトン伝導性の向上には有効的な手段であることが明らかとなった。現在これらの成果をまとめており、平成21年度に順次公表していく予定である。
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