研究概要 |
電磁浮遊液滴の表面振動を計測し、高温融体の粘性を詳細に計測できる手法を確立することが本研究の目的である。これまでに微小重力下においてのみ可能であった電磁浮遊法を用いた粘性測定を地上においてもおこなえるように、できるだけ小さな試料(直径1mm程度)を浮遊し任意に液滴振動を生じることができる電磁浮遊技術を確立する必要がある。このため周波数の高い電源(〜1MHz)を採用した電磁浮遊装置を本年度において作成し、直径1.5mmのAgでの溶融浮遊を確認することができた。また,液滴系が小さくなるため精度の高い表面振動計測が必要となるため、試料後方からレーザー光を照射し、液滴の影を撮影するバックライト光学系による微小液滴形状観測システムを構築し,液滴形状の精密な計測ができるようにした。さらに、本手法の有効性と精度を確認するために、微小重力下において電磁浮遊法によるCu融体の粘性計測をおこない、1400℃での粘性係数を取得することに成功した。これらの結果から、今後蒸気圧差のあるような合金系の粘性測定が可能となり、合金融体の粘性の組成依存性を明らかにすることを可能とした。
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