研究概要 |
平成19年度は,下記の点について明らかにした。 (1)横型双ロールキャスターの製作,製造条件の探索(群馬大学:渡利)150mm幅のクラッド製造のための横型ロールキャスターを製作した。ロール表面にはディンプルをつけることで,表面付近の急速冷却条件を緩和し,健全な板材を製造できるように工夫してある。また,クラッド材の製造条件は,ロールの周速度が一定の場合,マグネシウム溶湯の液相線温度の15℃程度上の温度,アルミニウム合金の液相線温度の30℃程度上の温度で製造できることが判明した。 (2)溶湯注湯系の制御モデルの構築(小山高専:山崎)溶湯を注油する数理モデルを構築し,数理モデルを用いて注湯をフィードフォワード制御するシステムを構築した。これによって,注湯の際に液面変動の少ない安定した注湯系を確立することができた。この成果は,国際会議ICPNS2007において発表している。 (3)ロールキャスティング実験と板材の評価 150mm幅のクラッド製造実験を行い,製造された板材の評価を行った。(1)長手方向,幅方向の板厚分布の測定をおこなったところ,板厚のばらつきは5%以内であることを確認した。(2)結晶組織の観察を行い,マグネシウム合金,アルミニウム合金の結晶組織の平均結晶粒径は,38ミクロン,56ミクロンであることを明らかにした。(3)クラッド材の引張試験の結果,板材の製造条件によってはマグネシウム,アルミニウムの界面に剥離が発生することが判明した。剥離の対策にについては20年度引き続いて継続して実験を行う。
|