• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

包晶系における結晶の成長および溶解に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19560750
研究機関独立行政法人物質・材料研究機構

研究代表者

眞岩 幸治  独立行政法人物質・材料研究機構, 情報通信材料研究萌芽ラボ, 主任研究員 (10343849)

研究分担者 木村 秀夫  独立行政法人物質・材料研究機構, 情報通信材料研究萌芽ラボ, グループリーダー (50343843)
キーワード包晶 / 安定相 / 準安定相 / 結晶成長 / 核形成
研究概要

これまで包晶系における組織形成機構を、異なる結晶相の核形成および成長のカイネティクスの観点から検討することを目的に、Sr(NO_3)_2-H_2O系をモデル物質として結晶得生成過程の直接観察を中心に行ってきた。この結果、包晶組織形成には核形成速度は高温相で大きく、成長および溶解速度は低温相で大きいという一見相反する条件が必要であり、これは各結晶相の表面エネルギーと結晶表面での成長カイネティクス係数の大小で説明できることを、速度計測の結果から導いた。本年度はこの包晶組織形性機構の一般性を検証するために、Sr(NO_3)_2-H_2O系に加えてNiSO_4-H_2O系およびサリチル酸-アセトアミド系で同様の観察を行った。
この結果、他の二つの系でも低温相の安定領域でも準安定な高温相が優先的に析出する現象が観察され、核形成速度の関係についてはSr(NO_3)_2-H-2O系の場合と同様の結果が得られた。水溶性の無機塩結晶では、溶解度の温度依存性と表面エネルギーとの間に相関関係があることが経験的に知られており、一般的に包晶系では低温相の方が高温相より表面エネルギーが大きいことが期待される。今回の結果は、この関係が水溶液系のみならず、より多くの系に共通する関係であることを示している。
しかし一方Sr(NO_3)_2-H_2O系に見られたような、高温相が必ず最初に核形成し、その上に不均一核形成することによって低温相が現れる現象は他の系でも必ず起こるわけではなく、低温相に対して十分な過冷度を与えると単独で核形成する場合も多い。このことは包晶組織をが形成される条件が、系によって大きく左右されることを示唆している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Crystal growth and electric-property change by rubidium or cesium doping on potassium-sodium-niobate2010

    • 著者名/発表者名
      木村秀夫、棚橋留美、ZHAO Hongyang、眞岩幸治
    • 雑誌名

      Crystal Research and Technology

      巻: 46 ページ: 37-40

    • 査読あり
  • [学会発表] 包晶系における結晶の核形成と成長2010

    • 著者名/発表者名
      眞岩幸治
    • 学会等名
      日本物理学会2010年秋季大会
    • 発表場所
      大阪府立大学(大阪府)
    • 年月日
      2010-09-24
  • [学会発表] Alkali Metal Doped Potassium Niobate Single Crystals2010

    • 著者名/発表者名
      木村秀夫、棚橋留美、Hongyang Zhao、眞岩幸治、Zhenxian Cheng、Xiaolin Wang
    • 学会等名
      ICCG-16
    • 発表場所
      Beijing International Convention Center(中国)
    • 年月日
      2010-08-08
  • [学会発表] Electric Properties of Alkali Metal Doped Potassium Niobate Crystals2010

    • 著者名/発表者名
      木村秀夫、棚橋留美、Hongyang Zhao、眞岩幸治、Zhenxian Cheng、Xiaolin Wang
    • 学会等名
      AMF-AMEC-2010
    • 発表場所
      Ramada Plaza(韓国)
    • 年月日
      2010-06-28

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi