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2008 年度 実績報告書

熱と物質の同時移動現象解析に基づく吸着材デシカントローターの設計・操作指針の構築

研究課題

研究課題/領域番号 19560752
研究機関金沢大学

研究代表者

児玉 昭雄  金沢大学, 機械工学系, 准教授 (30274690)

キーワードデシカント / 除湿 / 吸着 / 物質移動 / 熱移動 / 空調
研究概要

1. 複数種類のハニカム吸着材小片を用いて様々な空気条件の下でサイクリック吸脱着操作を行い,その重量変化から水蒸気吸脱着速度と諸変数や吸着材特性の関係を検討した.シリカゲルは吸着・再生ともほぼ同じ吸着速度を示すが,AlPO系ゼオライトは再生開始直後の脱着速度が圧倒的に速い.これは吸着材特性に加えてバインダなど吸着材ロータの製作過程にも起因する.また,吸脱着スイング収束時における吸着速度は,半サイクル時間60-300sの間で3.57×10^<-5>〜4.72×10^<-5>[1/s]であり,完全再生と完全吸着を繰り返した際に吸着初期に得られる速度と大差ないことから,サイクリック操作における水蒸気の吸脱着は吸着材表面近傍で生じ,局所的には吸着平衡が成立するものと考えられる.
2. 様々な空気・操作条件における除湿ロータ回転方向温度・湿度分布を比較検討した結果,デシカント除湿ロータの除湿挙動は吸着材特性に大きく依存し,おおよそ有効吸着量で説明できるものの,吸着材特性と除湿性能を結びつけるには吸脱着速度を詳細に調べる必要があることがわかった.
3. 直接測定不可能なロータ内の水蒸気吸脱着挙動を温度分布測定により把握することを試みた.再生空気出口付近で温度上昇にはロータ見かけ密度の違いが大きく影響する.また,吸着等温線に温度依存性を有するロータでは特に再生空気流れ方向の温度変化に著しい緩急が生じ,その領域は再生が進むにつれて空気流れ下流に移動する.急な温度降下は水蒸気脱着が活発であることを示すが,吸着等温線に温度依存性を有するロータでは比較的狭い領域で水蒸気脱着を生じることが推測される.
4. 数値計算に上記1で得られた吸脱着速度と吸着材特性の関係と局所平衡の概念を導入した結果,上述の除湿挙動およびロータ内温度分布をおおよそ再現することができた.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 その他

すべて 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [学会発表] デシカントロータ内温度分布測定に基づく水蒸気吸脱着挙動解析2008

    • 著者名/発表者名
      安達明彦, 児玉昭雄
    • 学会等名
      日本冷凍空調学会年次大会2008
    • 発表場所
      大阪市立大学
    • 年月日
      2008-10-20
  • [学会発表] 吸着材特性を考慮した多段除湿プロセスの検討2008

    • 著者名/発表者名
      関口啓介, 児玉昭雄
    • 学会等名
      日本冷凍空調学会年次大会2008
    • 発表場所
      大阪市立大学
    • 年月日
      2008-10-20
  • [学会発表] Parametr ic Study on a Honeycomb Rotor Adsorber with a Two-Stage Dehumidification2008

    • 著者名/発表者名
      T. Asada, A. Kodama, H. Asano
    • 学会等名
      Proc. of the 8th International Symposiurn on Separation Technology
    • 発表場所
      Karuizawa, Japan
    • 年月日
      2008-10-04
  • [学会発表] 吸着材デシカントローターにおける水蒸気の吸脱着挙動2008

    • 著者名/発表者名
      児玉昭雄
    • 学会等名
      化学工学会第40回秋季大会
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      2008-09-24
  • [備考]

    • URL

      http://www.hm.t.kanazawa-u.ac.jp/gijutsu/desiccantGr_j.htm

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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