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本研究では、圧力晶析法によるバイオディーゼル燃料の分離・精製を目的とし、そのプロセス設計の基礎データとして脂肪酸メチルエステル混合物の高圧固液平衡の測定並びにバイオディーゼル燃料の高圧曇り点測定を温度253-343K、圧力0.1-250MPaの範囲で行った。測定は、内部にガラスカプセルを挿入したサファイアガラス製光学窓付耐圧容器を用いて、相転移の様子を直接目視観察することによって行った。飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸のメチルエステル2成分混合系としては、(methyl stearate+methyl oleate)、(methyl palmitate+methyl oleate)系、(methyl myristate+methyl oleate)系の測定を行った。これらの系では、2成分間の融点の差が大きく、調べた組成内では共融点の存在を確認することはできなかった。いずれの系も、固液平衡線と曇り点は圧力の増加とともにほぼ平行に高温側に移動することが分かった。固液平衡データは、Yangらがn-alkane+alcohol混合系の固液平衡の相関に提唱した式で相関することができた。バイオディーゼル燃料は様々な原料油から製造されるが、圧力晶析の分離条件を検討するため、大豆油、菜種油、パーム油、ひまわり油、廃食用油から製造されたバイオディーゼル燃料の高圧下における曇り点の測定を行った。高圧下における曇り点は、常圧下の挙動にほぼ平衡して圧力の増加に伴い高温側に移動し、飽和脂肪酸メチルエステルの含有量に比例して、菜種油BDF、ひまわり油BDF、大豆油BDF、パーム油BDF順で高くなっていることが分かった。得られた熱物性情報を基にして、圧力晶析の分離操作条件を検討した。
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