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2008 年度 実績報告書

イオン液体を媒体とするバイオ分子の新しい分離システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 19560756
研究機関九州大学

研究代表者

久保田 富生子  九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (60294899)

研究分担者 後藤 雅宏  九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10211921)
キーワード抽出 / イオン液体 / 分離 / バイオ分子 / タンパク質 / DNA / 抽出剤 / 界面
研究概要

本研究の目的は、イオン液体を媒体として用いたバイオ分子の新しい抽出分離システムを開発することである。抽出性能の重要な鍵を握るのが抽出剤であるが、イオン液体への抽出剤の溶解性が課題である。本年度はDNAの抽出をモデルにイオン液体抽出系の開発を行った。
DNAはヌクレオチドの重合体で、水相ではリン酸部が解離して、ポリアニオンとして存在している。抽出剤として四級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤が有用と考えられるが、抽出性能が高い構造の界面活性剤ほどイオン液体への溶解性は悪くなる。界面活性剤を含むイオン液体溶液の温度を変化させて、臨海温度(液が均一になる温度)を調べた結果、プロパノール等のアルコールを加えるか、イオン液体カチオン側鎖長を長くすることにより、臨界温度が低下することが明らかとなった。そこで、n本の長鎖アルキル基(炭素数m)を有する界面活性剤nCmQACを用いてDNAの抽出を行い、2C18QACとイオン液体カチオン側鎖長12の[C12mim][Tf_2N]により、DNAの定量的な抽出を行うことに成功した。有機溶媒系では抽出率の低かった、よりアルキル鎖長の短い界面活性剤でも定量的な抽出が達成され、イオン液体系が有機溶媒系に比べ高い抽出能力を示すことが明らかとなった。イオン液体カチオン鎖および界面活性剤の種類により、その抽出挙動を検討した結果、抽出剤およびDNA界面活性剤複合体の溶解度、すなわち、イオン液体と抽出剤の適切な組み合わせが重要であることがわかった。さらに典型的なアニオン性および中性抽出剤を用いてイオン液体との親和性と抽出性能の関係も検討し、イオン液体を分離媒体とする抽出分離システムを構築するための知見が得られた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Extraction Behavior of Indium Ion with TOPO into Ionic Liquids2009

    • 著者名/発表者名
      F. Kubota, M. Gotoら
    • 雑誌名

      Solv. Extr. Res. Dev. Jpn. 16(印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] 希土類金属回収のためのイオン液体抽出系の開発2008

    • 著者名/発表者名
      久保田富生子, 後藤雅宏ら
    • 学会等名
      第27回溶媒抽出討論会、2008年10月
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-10-12
  • [図書] 分離プロセス工学の基礎 化学工学会分離プロセス部会編2009

    • 著者名/発表者名
      久保田富生子, 後藤雅宏ら
    • 総ページ数
      30
    • 出版者
      朝倉書店

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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