研究概要 |
圧力晶析のポイントは,結晶核のみを生成させてその成長を抑制することにある.本研究の特徴である圧力による溶解度変化は,溶液内への過飽和の伝播が伝熱や拡散に比べて非常に速くなる(瞬時に起こる)ことから理論的には不均一な領域が生じないため,均一なナノメータサイズ結晶核が得られることが期待できる.本研究では,圧力操作による結晶核生成のユニバーサルな現象を明らかにして,その操作方法を開発すること目的とする.昨年度までの成果では,4000気圧までのフリーピストンタイプの超高圧装置を完成でき,カメラによる内部観察,レーザによる高圧下の標準粒子を使った粒径測定もできるようにした.そして,2種類のアンモニウム塩の水溶液中の核発生挙動を高圧下で観察し,アンモニヴム塩は圧力とともに溶解度が減少し,高圧により結晶化することが分かった. 本年度での成果は,エタノール水溶液で2種類のアンモニウム塩の核発生挙動を観察し,またエタノール水溶液の粘度を標準粒子を使って測定した.また,新たに,電極を装着した高圧セルの開発を行った.
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