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2008 年度 実績報告書

スパッタ法によるシリサイド薄膜構造形成過程の理解と電子デバイスへの適用

研究課題

研究課題/領域番号 19560764
研究機関東京大学

研究代表者

辻 佳子  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (10436529)

キーワードコバルトシリサイド / スパッタ / 結晶成長 / 核発生と成長 / 配向 / 界面ラフネス / 半導体デバイス
研究概要

MOSFET-LSIの電極・配線材料として広く使用されているシリサイド薄膜において、トランジスタ特性のばらつきの原因となるシリサイド/絶縁膜界面ラフネスのないCoSi2膜(膜厚30nm)を低温(<500oC)で形成させることを目標とする。ここではCoとSiの同時成膜によるCoSi2多結晶膜形成を試み、結晶成長の立場から膜構造形成メカニズムを理解した上で、構造制御を行う。また、CoSi2電極の電気的機能評価を行い、構造と機能の両者を満たすプロセスの確立を目指す。
平成20年度は、前年度に検討したCoSi2多結晶膜の構造形成について、さらに詳細を検討した。基板を加熱した状態でCoSi2を成長する気相成長では、基板温度が高いほど、組成がCo過剰になるほど、体積拡散が進み板状結晶を形成した。また、基板温度が500oC以下で柱状構造を形成する場合、組成がSi過剰になるほど結晶面による成長速度に違いが生じ(111)配向しやすくなった。抵抗値はCoSi2両論比で極小点をもつが、板状構造の場合にはその組成比依存性が高くなった。
一方、非加熱基板上へ非晶質CoSi2を成膜し熱アニールする固相成長では、アニール温度や組成比によらず板状結晶を形成した。その粒径は核発生速度と核成長速度の相関関係によるが、本系では後者が非常に早いため、粒径はアニール温度に依存しなかった。しかし、組成依存性が大きく、Co:Si=1:1.6のとき粒界にCoSiが偏析するが粒径は最大となった。抵抗値はCoSi2両論比で最も低抵抗で、基板加熱成膜よりも低抵抗であった。
さらにアニールの別手段としてパルスレーザー照射を検討した。伝熱計算からCoSi2膜の融解に必要な熱流束を見積もった上で照射実験を行ったところ、条件によってはCoSi2/SiO2界面温度を上昇させることなく結晶化がおこることがわかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 電子デバイス用コバルトシリサイド薄膜の結晶成長の理解と制御2008

    • 著者名/発表者名
      辻由樹絵、辻佳子、野田優、山口由岐夫
    • 学会等名
      社団法人 化学工学会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2008-09-26

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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