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2010 年度 実績報告書

表面被覆型固体酸・塩基触媒の合成

研究課題

研究課題/領域番号 19560768
研究機関北海道教育大学

研究代表者

松橋 博美  北海道教育大学, 教育学部, 教授 (70192341)

キーワード触媒・化学プロセス / 固体酸・塩基 / 有機工業化学 / 格子欠陥 / 表面・界面物性
研究概要

固体塩基触媒として塩基性の高いCaO,固体酸として硫酸化ジルコニアについて,表面の耐水性および耐CO_2性を向上させる目的で,酸・塩基性質をあまり示さず,水に対して親和性のない酸化物での表面被覆を行った。表面被覆には,平成20年度に開発した,アルコキシドを無極性溶媒である酢酸エチルに溶解し、目的の水酸化物あるいは酸化物の表面の酸・塩基性質を利用してアルコキシドを分解するという合成法(表面ゲル化法)を用いた。
CaOの表面をTiO_2で被覆し,ジアセトンアルコールの逆アルドール反応をモデル反応として,塩基触媒性能を比較した。その結果,アルミナ被覆CaOと同様に,耐水性,耐CO_2性に優れ,かつ高活性な固体塩基であることが明らかとなった。
テトラエチルシリケートを被覆材料として,シリカ被覆CaOを合成した。テトラエチルシリケートは,空気中で安定であると同時に,酸または塩基で速やかに分解するため,被覆材料として優れている。しかし,シリカはCaOとの接合があまり良くなく,Caイオンの溶出を防ぐことはできなかった。一度焼成したシリカ被覆CaOを,再度シリカで被覆することにより,溶出を防ぐことができることが分かった。
CaOをジルコニアで被覆したところ酸性が発現し,エステル交換反応やアルコールの脱水に活性な触媒となった。一般的な共沈法や含浸法で調製した触媒では,酸性は発現しないことから,一層あるいは二層からなるジルコニアの特異な性質と考えられる。
硫酸化ジルコニアは固体超強酸であるが,硫酸イオンが水に溶出することが問題になっている。硫酸イオン溶出防止を目指し、硫酸化ジルコニアの表面をジルコニアで被覆したが,溶出防止効果は見られなかった。しかし,酸触媒活性は大きく向上することが分かった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Synthesis of a water tolerant solid base of CaO covered with Al_2O_32010

    • 著者名/発表者名
      H.Matsuhashi, T.Fujita
    • 雑誌名

      Catalysis Today

      巻: doi:10.1016/j.cattod.2010.10.057 ページ: 161-164

    • 査読あり
  • [学会発表] SiO_2被覆CaOの合成と塩基触媒反応への応用2011

    • 著者名/発表者名
      川村安乃,松橋博美
    • 学会等名
      化学系学協会北海道支部2011年冬季研究発表会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2011-02-01
  • [学会発表] 酸化チタンで被覆した固体塩基の合成と触媒作用2011

    • 著者名/発表者名
      船木大地,松橋博美
    • 学会等名
      化学系学協会北海道支部2011年冬季研究発表会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2011-02-01
  • [学会発表] シリカ被覆CaOの調製と塩基触媒性質2010

    • 著者名/発表者名
      松橋博美,川村安乃
    • 学会等名
      第106回触媒討論会
    • 発表場所
      山梨大学
    • 年月日
      2010-09-18
  • [学会発表] シリカで被覆したCaOの塩基触媒性質2010

    • 著者名/発表者名
      松橋博美, 川村安乃
    • 学会等名
      北海道支部2010年夏季研究発表会
    • 発表場所
      函館高専
    • 年月日
      2010-07-24
  • [学会発表] Synthesis of Water Tolerant Solid Base of CaO covered with Al_2O_32010

    • 著者名/発表者名
      H.Matsuhashi, T.Fujita
    • 学会等名
      TOCAT6/APCAT5
    • 発表場所
      札幌市コンベンションセンター
    • 年月日
      2010-07-22

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公開日: 2012-07-19  

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