研究課題/領域番号 |
19560775
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
加藤 紀弘 宇都宮大学, 工学部, 教授 (00261818)
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研究分担者 |
諸星 知広 宇都宮大学, 工学部, 助教 (90361360)
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キーワード | クオーラムセンシング / 高分子ゲル / シクロデキストリン / 高分子ナノファイバー / エレクトロスピニング / 細胞間情報伝達機構 / 包接複合体 / 高分子不織布 |
研究概要 |
高圧電源、可動式シングルノズル、紡糸原液噴霧用の速度可変ポンプ及びドラム式ターゲット電極を装備したエレクトロスピニング法による紡糸装置を用いて、高分子ファイバーの合成条件を検討した。ポリエチレングリコールなど水系に可溶な各種高分子を用いてファイバー合成に適する最適条件を検討し、ポリマーの分子量、濃度、紡糸条件などの基礎的条件を検討し、本研究で用いる装置の性能確認を行った。スピニンクにより得られた高分子ファイバー及び不織布は、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。SEM像より、合成されるファイバーの平均直径と、ファイバーと共に固定される高分子ビーズの有無を評価した。バクテリアの細胞間連係に利用されている情報伝達物質として、アシル鎖長の異なるN-アシル化ホモセリンラクトンを有機合成し、その構造を^1H-NMRにより確認した。この情報伝達物質を有効にトラップすることが出来れば、バクテリア間の細胞間連係を遮断し、関連する遺伝子発現を制御できると考えられる。一般に、バクテリアの細胞間情報伝達機構は情報伝達物質濃度依存性であり、個々の細胞から放出された情報伝達物質が系中に累積していく。この濃度が閾値に到達すると、細胞密度依存性の本システムが稼動し、緑膿菌などの日和見感染菌では病原性因子の発現が起こる。環状オリゴ糖シクロデキストリンをホスト化合物に選択し、AHL類との包接複合体形成に関する安定度定数を算出したところ、AHLは水溶液中でシクロデキストリン類と安定に複合体を形成可能であることを明らかにした。
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