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2007 年度 実績報告書

組換え昆虫細胞によるウイルス様粒子の連続生産システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 19560777
研究機関神戸大学

研究代表者

山地 秀樹  神戸大学, 工学研究科, 准教授 (40283874)

キーワード昆虫細胞 / 遺伝子組換え / ウイルスタンパク質
研究概要

新興感染症の出現や再興感染症の拡大にみられるように,近年の感染症事情は大きく変貌し,ワクチンの重要性が高まっている.ウイルスの表面タンパク質をコードする遺伝子を哺乳動物細胞に導入すると,ウイルス感染細胞と同様の生合成過程によりウイルス様の空の粒子が形成,分泌される.このような粒子は,ゲノムをもたず感染性がないため安全性が高く,本来のウイルス抗原と同等の抗原性や免疫原性を示すことから,ワクチンとしての利用が期待されている.しかしながら,ウイルスタンパク質の哺乳動物細胞に対する毒性のため,収量が低いことが課題であった.そこで,本研究では,培養昆虫細胞を用いてウイルス様粒子状ワクチンを大量に生産するための基盤技術を確立し,安全かつ有効なワクチンの高生産プロセスを開発することを目的として,検討を行っている.これまでに,日本脳炎ウイルスの表面タンパク質であるMタンパク質およびEタンパク質の遺伝子を昆虫細胞High Fiveに導入し一過性発現を試みたところ,哺乳動物細胞を用いた場合の数十倍のEタンパク質の発現レベルが得られることを見出した.また,培養上清をスクロース密度勾配遠心分離法により分析したところ,昆虫細胞が分泌発現したMタンパク質とEタンパク質は粒子構造を形成していることが示唆された.さらに,哺乳動物細胞の数十倍のEタンパク質を分泌生産する安定形質転換細胞を得ることにも成功した.昆虫細胞は機能性タンパク質を大量発現可能であり,動物細胞とは宿主域が異なるため,ウイルス様粒子状ワクチンを高生産可能な新たなシステムを構築できると考えられる.

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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