研究課題/領域番号 |
19560781
|
研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
山本 進二郎 崇城大学, 生物生命学部, 准教授 (40262307)
|
研究分担者 |
古崎 新太郎 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (40011209)
林 修平 崇城大学, 生物生命学部, 助教 (30389522)
|
キーワード | 軟骨細胞 / 再生医療 / 培養工学 / 組織再生 / バイオテクノロジー |
研究概要 |
体内環境を模倣する培養条件下で、継代培養して脱分化した細胞を再分化させる要因を追及し、組織再生に重要な培養操作技術を開発することを目指している。脱分化した軟骨細胞を利用して再分化させる研究はこれまでにほとんど検討きれていない内容である。ヒト由来の軟骨細胞を用いて再分化に関わると考えられる低酸素分圧、細胞凝集、増殖因子等による、軟骨の分化マーカーであるII型コラーゲンのRNA発現や生産量などを測定して再分化に有効な培養操作条件を探索した。 これまでの研究よりII型コラーゲン合成には低い酸素分圧が有効なことを観察しているが、最適な酸素分圧を見出すに至っていなかった。様々な酸素分圧下でのII型コラーゲン合成量を測定して酸素分圧の影響を検討した結果、2.5%が最適であることを見出した。まだII型コラーゲンのmRNA発現を検討したが、その発現レベルが小さかったため、判断するのは困難であった。また増殖速度は酸素分圧によらないことを観察した。 細胞凝集形成に及ぼす回転数の影響を検討したところ、30rpmが有効であることを見出した。さらに細胞凝集は培養とともに増加することも観察した。細胞凝集体のII型コラーゲンのmRNA発現や分布状態を調べた結果、II型コラーゲンが速やかに発現し、凝集体の中心部にII型コラーゲンが合成されることを観察した。細胞凝集が軟骨細胞の再分化に極めて効果的であることを見出した。またアスコルビン酸や増殖因子(TGF-β)などの添加によって、コラーゲン合成を促進することを観察した。
|