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2009 年度 実績報告書

流動層バイオリアクターによる汚泥減容プロセスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 19560783
研究機関北九州工業高等専門学校

研究代表者

畑中 千秋  北九州工業高等専門学校, 物質化学工学科, 教授 (80180884)

キーワードバイオテクノロジー / バイオリアクター / 環境技術 / 汚泥減容 / 窒素除去 / 硝化 / 脱窒
研究概要

実験室において流動層型バイオリアクターによる有機物と窒素の同時除去および余剰汚泥の減容効果が明らかとなったので、北九州市日明浄化センター内に5m^3/d規模の実証プラントを設置し、実際の下水を通液して実験室でのデータの再現性について検討した。硝化率は原水濃度18mg/L程度に対し、90%以上の安定した高い結果が得られ、ほぼ完全に硝化されていることが確認された。また、原水TOC濃度約15mg/Lに対して、処理水では5mg/L以下となり、除去率は70%まで上昇し、安定した値をとることが認められた。化学量論を満足するためにはTOCと硝酸性窒素との比(TOC/N)を一定以上に設定する必要がある。実証実験においては、初期、硝化液循環比を3に設定して運転を開始し、その後2に変更した。循環比3においてはT-N除去率は50%程度であり、循環比3で得られる理論除去率(R/R+1×100=75%)には及ばなかった。これは循環比3で硝化液を脱窒槽に返送した場合、硝化液中のTOCは極めて低いので原水中のTOCが希釈される結果となり、TOC/Nが0.5程度に低下し、水素供与体が不足するためと考えられた。そこで、循環比を2とすることによって原水中のTOCの希釈を抑えて運転を継続したところ、TOC/Nは0.75程度となり、T-N除去率は循環比2で得られる理論値(R/R+1×100=67%)にほぼ近い65%が安定的に得られた。
全酸化槽と沈澱槽内に存在する汚泥の合計量を経時的に測定し、流入した汚泥の総量から減容率めると、90%程度が達成されることがわかった。これとは別に、全酸化槽内のMLSS濃度を測定すると、沈澱槽の濃縮効果によって4000~6000mg/Lとなり、標準活性汚泥法における曝気槽の4~6倍の高い濃度が維持されていた。また、BOD汚泥負荷についても0.04~0.06kg-BOD/kg-MLSS・dと極めて低い値が維持されていた。これらの相乗効果によって高い減容率が達成されるものと考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 窒素除去型汚泥減容システムの実証2010

    • 著者名/発表者名
      畑中千秋
    • 雑誌名

      北九州工業高等専門学校研究報告 (第43号)

      ページ: 69-74

    • 査読あり
  • [学会発表] 中空糸型バイオリアクターによる高濃度硝酸排水の脱窒処理2010

    • 著者名/発表者名
      畑中千秋
    • 学会等名
      化学工学会
    • 発表場所
      鹿児島大学
    • 年月日
      2010-03-20
  • [学会発表] P.denitrificantsを固定化する架橋PVAミクロスフェアの設計と特性評価2010

    • 著者名/発表者名
      畑中千秋, 他4名
    • 学会等名
      化学工学会
    • 発表場所
      鹿児島大学
    • 年月日
      2010-03-20
  • [備考]

    • URL

      http://www.kct.ac.jp

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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