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2008 年度 実績報告書

超音速境界層の乱流遷移機構の解明と制御に関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 19560788
研究機関大阪府立大学

研究代表者

坂上 昇史  大阪府立大学, 工学研究科, 助教 (70244655)

研究分担者 新井 隆景  大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (10175945)
西岡 通男  大阪府立大学, 工学研究科, 客員研究員 (60081444)
キーワード航空宇宙工学 / 流体工学 / 超音速境界層 / 乱流遷移 / 乱流制御 / 定量化シュリーレン法 / 低速ストリーク / 縦渦
研究概要

本研究は,高精度遷移予測法の確立,層流維持制御・乱流制御技術の開発,乱流の数値計算モデルの構築等に直結する超音速境界層の乱流遷移機構を解明し,具体的な遷移制御法を創案することを目的としている.
平成20年度は,まず,平成19年度に行った定量化シュリーレン法の校正法の確立に関する研究の成果を論文にまとめて学術雑誌に投稿し,3編について平成21年度発行の雑誌に掲載が決定している.また,平行光束を一定角度だけ一様に屈折させる光学ガラス基盤を用いて光学系を校正することで,風洞通風時に生じる側壁ガラス歪みがシュリーレン光学系を用いた定量計測上問題となることを明らかにした.
次に,校正されたシュリーレン光学系とピトー管により超音速境界層の乱流遷移過程を計測し,遷移過程の平均流を密度勾配分布で示して,遷移開始時に壁近傍の密度勾配が特徴的に増すこと,平均密度勾配分布の変化に伴って境界層外層の流体を壁近傍に,壁近傍流体を外層に運ぶ速度変動が生じていること,このような輸送を担う撹乱として,乱流境界層中で従来から注目されている組織構造に酷似した斜めに傾いた渦構造が観察されることを明らかにした.さらに,境界層遷移過程における渦度撹乱を瞬間シュリーレン画像から調べ,壁から立ち上がり流れ方向に30゜〜70゜傾いた渦構造が遷移初期段階から集団として現れ始め,これが境界層を埋め尽くすと発達した乱流境界層となること,その高さや間隔の平均は境界層厚さのスケールを有し,渦構造の高さの累積度数分布,すなわち,高さに着目した渦構造の存在確率分布は,乱流に近づくにつれて境界層外層の平均密度勾配分布と相似になること明らかにして,注目した斜め渦構造が境界層平均分布を支配し超音速境界層の遷移機構として中心的な役割を果たす非線形撹乱であるとの結論を得た.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Fluctuation of Mass Flux and Concentration on Supersonic Mixing using Streamwise Vortices2008

    • 著者名/発表者名
      A. Kondo, S. Sakaue, T. Arai
    • 雑誌名

      AIAA Paper AIAA-2008-2535

      ページ: 1-8

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 高レイノルズ数における平板境界層の乱流摩擦2008

    • 著者名/発表者名
      西岡通男
    • 雑誌名

      日本流体力学会誌「ながれ」 27別冊

      ページ: 40-40

  • [雑誌論文] 縦渦が導入された超音速混合場の濃度・質量流束変動測定2008

    • 著者名/発表者名
      近藤暁, 坂上昇史, 新井隆景
    • 雑誌名

      日本流体力学会誌「ながれ」 27別冊

      ページ: 80-80

  • [学会発表] 壁乱流のオーバーラップ層2008

    • 著者名/発表者名
      西岡通男
    • 学会等名
      第43回「境界層遷移の解明と制御」研究会
    • 発表場所
      JAXA航空宇宙技術研究センター
    • 年月日
      20081002-20081003

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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